3月18日(火

NO,105 (よくボールが止まるウエッジを考えるシリーズ 上)

 


 
最近のユーティリティーウエッジはともかく硬い素材で作られています。 その為最近当店店主が感じ、思い悩む事がひとつふたつある事を今回記します。
 ひとつはロフト、ライの調整がしにくく0.5度の単位でも殆ど動かない材質のクラブがあり測定をしてもアングル変更を大幅に要する場合には ネックが折れる事もあり得る硬い素材が多く使われている事です 軟鉄と言ってもその組成は非常に成分、種類が多く一概に“軟らかい鉄”とは断定できません 実際バイス(万力)にクランプ(挟みこむ)して梃子でネックを捻りアングルを調整する時の力の要れようが、手に伝わる「動く感触」が違います 焼きが入った鋼材のように“モドリ”が在り動かそうにも跳ね返ってきます その理由のすべてはフェースにあるグルーブ(溝)のエッジを立てボールにスピンを強く与える為であり 材質のせいかアングルが規格どおりに仕上がっていない場合も結構多くまた ロフトやライの変更、チューンナップに於いては非常に苦労しているのが実状です。 
 従来は本来の軟鉄を鍛造で製造したヘッドに鍍金を施したものが一般的で新品の頃はボールにスピンを効かせる事はそう難しい事ではありません
 それを使い込んで止まり具合や落とし所を腕に覚えこませる事が“わざ”でありました。 また最近までフェースには鍍金を施さないのが主流で 鍍金がされていないだけスピン量が多く(フェースとボールの摩擦係数が増えるため)ノー鍍金がウエッジのトレンドでした ところが手入れが至らないで放置すると錆が出てプレーヤーに敬遠されがちでしたし 軟らかい鉄にノー鍍金であればエッジを鋭く立てていても所詮バンカーに入って砂の中で使ったりラフや芝の上でも所詮ボールとフェースに土が噛んでエッジはすぐにダレて(エッジの角が取れ丸くチビッてくる事)スピン量は少なくなり当初ほどのスピンが効きません その頃は「打感、フィーリングがソリッド過ぎる!」とか「フェースに(ボールが)載っても軟らかいタッチが出無い!」と抽象的ですが言われたことが何となく理解も出来ます
 それに比べ面白いことにパターの場合発想の違いは顕著です
ゴルフクラブの中で、元来パターだけは海外製品であってもフェースのパーカッションエリアに樹脂やカッパーをはめ込み打感、タッチを少しでも軟らかくしようとされていました それはボール自体が日本製より相応以上USA製の表面や打感タッチが硬い為 接触するフェース側を軟らかくするという発想でした 日本製のボールは軟らかだった為フェースは創作する必要がなくタッチはソフトでしたが ところがUSA製のボールは硬くパターのフェースを軟らかく仕上げソフトなタッチにしたのです。トレンドだけを意識して それ程意味無く国産ブランドパターまでフェースインサートの真似をしていました ところが最近はウエッジ類に関してボールが硬くても軟らかでもフェース表面の摩擦係数を上げて 輸入ブランドのクラブでも国産品であっても「止まるが勝ち!」とノー鍍金のフェースに切ってある溝のエッジを“キッチリ90度にミーリング”して鋭く立て しかも長時間の使用にエッジが耐えダレる心配が無いよう非常に硬い素材を使ってスピン量を最大増やそうとする発想です ボールコントロールの為の打感や感性より 如何にボールをその場に止める為の製造技法は 非情に硬い素材のヘッドの溝はエッジを極めて鋭く立てる事となっているのです ところがその際注意しないと材質自体が硬い素材であれば ロフトやライアングルの変更が難しくなる実情をご理解いただいておかれるべき点と ボールの消耗度だと思うのです ウエッジに関しては国産、輸入ブランド品を問わずスピン量を求める為、ボールの銘柄や打ち方を無視してでも 硬い素材のエッジが切り立ったクラブが出回っている事を理解されれば 一発打った鋭い球筋でピタッと止まったウエッジショットの後 ボール表面のキズはその代償として相当か否かがお分かり頂ける事だと店主は考え悩んでいるのです。