6月17日(火)

NO,116 (数値管理の是非と盲点 アイアンヘッド編の続き

 


 
パーツ売りのアイアンヘッドには綺麗なパンフレットが付いています。 カタログには各スペック数値が羅列され数字の大小を比べ ヘッドの仕上がり状況が目の当たりにアングルまで立体的に想像できる方もそう沢山お出でにならないとは思いますが 今回は組み上げの大切さを記そうと思います 
 アイアンヘッドが工場から入荷した時は 当然の事ながらシャフトの挿入される穴が当初より空いています 装着するシャフトの外径はメーカー、種類の違いでスティール製でもコンマ数ミリメートル太さが違い ヘッドの穴の大きさはそれらを見こしたやや大きめの直径で空いています またスティール製は鍍金を取りシャフトの表面を荒らして糊がしっかり効くように若干細くしてから装着します カーボングラファイト製でも同様でコーティングやカラーリングされた塗料を取り去り装着されます 海外製のカーボングラファイトシャフトは随分塗料の皮膜が厚く塗られていてかなり径を細くしてからでないと地肌のグラファイト繊維が表れません。
 要するに穴の大きさに対して シャフトはゴソゴソの状態で単に工業用の二種混合糊でアイアンクラブは組みつけられている訳です ある輸入ブランドのクラブは中でも非常に穴が大きく グラスビーズ(ガラスの粉)が接着剤にまぶされてタイトな状態に漸くなってはいますが糊だけではセンター軸がぶれて真っ直ぐ装着でないでしょうし、糊の接着強度は永久でないだけにやや心配な状態の組み付けがなされています。
 工場から入荷して 当店で先ず検品するのは重量、フロント・トップシェイプ、部分部分の研磨です 何せ重量は指定された物よりプラス1.0〜1.5グラムあってもシャフトの挿入穴の直下に下穴を5.5ミリのドリルで開け重量を少なく当方で加工できます しかし指定された重量より幾らかでも軽い場合 アジャストする重さには限度があります 当然パーカッションエリアが元々バックフェースや 全体にデザインされたシェイプから予定した部分に位置させるには決してネックに辻褄が合うまで鉛や真鍮のリード(棒状の重り)を入れて組み上げていては意味がありません
 また研磨の工程で顔形状が番手番手の仕上がりがその流れに沿っていなくてはいけませんし アゴの刳り(削り代の取り方)やトップブレードの厚み、ソールの巾や クラウンの丸み、とがり方が一様にならび揃えられていなくてはセットアイアンにはなりません。
 ただしいくら検品して精度高いヘッドが納品されても組み上げにはシャフトがネック穴にゴソゴソの状態の物を ネック部分の丸みを帯びながら細く絞られつつ右後方へ(リーディングエッジよりトレーディングエッジ方向へ)湾曲した“セットアップして一番目にとまり又その視覚が球筋にまでプレーヤーに影響を及ぼす大切な箇所でもあるネック左端面の流れ”が実は一番組み上げ時にはシビアな状態になってくるのです 残念ながら当店へ持ち込まれる別注用の「最も精度が高い」と言われるある工場のヘッドもその“ネーミング”だけで売っていらっしゃっる店が多いようで別注商材としては当店での計測をもって知りうる限り 組み上げ後にアングルがチューンされていない場合が反対に多く出回ってもともとの「値段も精度も高いヘッド」だけに仕上がりの内容は本末転倒であったりします。 組み付ける場合“ネック左端面”をセット間の中で如何に揃えシャフトを装着するか? 装着時にシャフトと穴とは 上記の要素からクリアランス部分が結構有り 当店では“薄い特殊なクサビ”を入れて強度を増してから装着します そのクサビを入れる位置、 穴に対してシャフトセンター軸を例え少しでも振って入れたいのか?真っ直ぐ入れたいのか?アップライトに?フラットに?はたまたそれらの中間のポジションで? ネックの形状は視覚的に違って見え良いセットとして組み上げられるか否か?決定します。 
 ましてクラブをアッセンブルする為 ウッドシャフト単品を装着する時でも当然ですが糊を練ってシャフトに塗り そろっと挿入してその後壁にたて掛けて置いているようでは 先ずアップライトライにくっ付いてしまっているのが殆ど実状です