7月21日(月)

NO,121 (数値管理し難いグリップの事)

 


 グリップ交換で消費者が充分満足して頂ける仕事が出来るようになる事はクラフトマン、チューンナップ作業の中で一番難しい事では無いでしょうか? 前回記したようにプレーヤーの手を見て瞬時にそんな太さ、テーパーに仕上げようと判断する事や 実際そのシャフトに下巻き用のテープを どの部分に何回巻いてグリップを挿せば思うとおりの太さやテーパーに仕上がるのか? これらはゲージが有る訳でもなく(注釈⇒グリップゲージ参照の事)経験だけが頼りの職人技と思われる 言わば“腕の見せ所”でもあるのです。
 1本だけの交換であれば当初のバランスより軽く仕上げる、重く仕上げる、同じ様に仕上げる為に付いていたグリップの重量をチェックしておく事は当然です
それはグリップの重量がカウンター状となって仕上がりのバランスを先に予測できプレーヤーの要望に適えることも可能です また同じグリップでも平均に対して±1.5グラム位の重量差があり その違いを見当、予測すれば番手によって約0.5ポイントぐらいの差をカウンターにあてる事でその仕上がりバランスをコントロール出来るわけです 当然セットで交換する時はグリップの付いていない状態でクラブのバランスを測り 挿すグリップのそれぞれ重量管理の後カウンターにあてて装着すればバラツキも無く綺麗に揃った仕上がりバランスが予定できますし グリップの装着されていない状態でバランスの均衡がとれている場合には仕上がりを見越して重量の管理が成されたグリップを揃えて装着せねばなりません 
 また下巻きテープはチューンナップショップによってシャフト軸と平行に“縦に貼っている”作業を見受けますが それはあくまで“1回か2回貼り”には通用しますが当店では“螺旋に(シャフト軸に約45度方向)巻く”手法を用いております なぜならグリップの持ち合わす“テーパーをあえて緩くする、きつくする場合”、またダイナミックゴールドシャフト状のようにステップが付きその部分に下巻きテープを巻いて仕上げなければならない時、ウエッジ等では当然短くグリップして打つことを想定すると右手側あたりの太さがどうしても細くなってはいけませんからステップで生じる段違いをある程度の太さ域まで平らに慣らす為シャフト軸に直角に数回巻き下地を作ってから装着用の下巻きテープを巻く必要が生じます 何回も縦に貼ると「重なりしろ」がグリップ表面で段違いを生み手に感じる違和感をプレーヤーから訴えられます トップオブグリップから縦に貼る場合も同様で縦に一筋の段違いを感じさせないよう極力重なりしろを無くし当店では5〜6回下巻きを螺旋で重ねて巻いても段違いは生じさせません しかし縦に5回6回貼っている事を実際殆ど見たことが無いのはテープが螺旋に巻けないのか、巻かないのかその結果「随分細い目の仕上がり」で交換時に発覚している事が多く当店の「螺旋巻きの拘り解説」に納得いただいているのが実状です
 当店ではセットでグリップ交換する時 #3〜#4からP/S〜S/Wへ番手を追って装着する時と S/W〜P/Sから#4〜#3へ番手を追って装着する時の二通りで挿されるグリップの向きの癖に若干変化があり その癖を用いてプレーヤーの望む球筋が打ちやすい様にアレンジが勝手に作業上組み込める点を利用しております スクウェア系やドロー系を望まれる場合#3からS/Wへ番手を追って装着します 反対にフェード系を望まれる場合S/Wから#3へ番手を追って装着します 何故か後で店主自身が感じる事ですがいつも前者はスクウェアから若干カブリ気味に付いていて 後者はややヒラキ気味に付いている場合がありそれがポイントとなり球筋、出方に影響があるようです これはコツと言うより癖なのかも知れませんが・・・・ ただ決して右手でその時偶然持ったクラブ番手に 左手がつかんだグリップを思うままの状態で次々と手早く装着はしておりませんし出来る物では有りません。 御近所のショップでもグリップ交換くらいはされるでしょうから その点御注意いただきご覧になっていれば案外参考になるかもしれません。
 ただ最後に最も大切な部分は“どの向き?何をもってスクウェアな装着方向か?”という事ではないかと思います。答えは唯一“リーディングエッジに沿ってグリップの正面がセットアップ時に平行に装着されている事である“と考えます 少しややこしいですがグリップ自体を「フックに入れる」や「スライス気味に装着する」考えが他店で現実に存在しその様に装着されていても 普段プレーヤーはスクウェアにグリップしたい、スクウェアにグリップする筈です フックグリップに持つよう教えられたプレーヤーがスクウェアに装着されたグリップをインストラクションのとうり左手を被せフックに持つ事はあっても フック気味に装着されたグリップをフックグリップ気味にグリップすれば(持っていれば)グリップ正面の中央ライン、グリップの模様でセンター、柄の真ん中はやはり左手の親指の下にあって実は中央のライン、模様のセンターに親指を当て、バックライン、リブはその真裏側となっている時 バックライン、グリップ正面模様の正反対側を地面側(身体側)に向け、腕を廻せば左手はスクウェアにグリップしている場合と違わない事でありフックに装着する度合いが若干ずれて違う場合にやはりプレーヤーは違和感が生じるものと考えられます。
根本的に手とグリップの大きさ、太さに違いがありすぎると左手親指をグリップ正面の中央ラインに当てグリップを包み込んでスクウェアにグリップする事は不可能です それは必ずグリップのバックラインを手、指先は感じて握ることで親指を当てる場所がグリップ正面の中央ラインより被った位置にあたる状態はグリップが細すぎ 中央ラインより開いた位置にあたる状態はグリップが太すぎる為の他には考えられません。やはり手の大きさに合ったグリップサイズに尽きる話しではないかと思い考えます。

 グリップゲージ⇒トップオブグリップから2インチ下の太さを計測する冶具で直径が0.9インチから0.885 0.85 0.807とその大きさでサイズを採るゲージは昔から存在する しかし実用的で無いと判断され殆ど今は使われていない