9月26日(金)

NO,130 (ゴルフクラブと国民性を考える 

 


 あるお客様と話しの中でこんな会話がありました
「僕はゴルフを始めてから ずっと国産のM社製クラブを使ってきたんですよ 若い頃ゴルフを始める時に あるショップのオーナーが舶来ブランドのアイアンクラブをセットでバランス計に載せて見せられた数値はそりゃバラバラで… その点M社のクラブはピッタリ揃っていましたからね 今でもたまに冷やかし半分でショップなんかに行った時、バランスを計っても やっぱ国産ブランドのクラブは舶来品に比べても揃っていますよね…でも最近は舶来ブランドもなかなか精度が良いみたいで・・・次は舶来のクラブブランドも頭にあって・・・でも国産じゃ今でもやはりM社の品質が良いんでしょ?」 
と 御自分がお持ちの国産ブランドクラブに満足げな口調でおっしゃっています。
実は当店でも月に数十セットのアイアンや単品ウッド、ウエッジクラブもかなりの数量を測定しています これくらいのお話しであれば日報ノートに記すほど驚く事柄でも有りません。 
最近では舶来ブランドであっても殆どがライセンス契約で その殆どが日本の国内工場で組み立て、生産されています まったく本国仕様で現地の海外工場製(アメリカ産であり 中国産であり 日本国外の工場製のこと)のクラブを探す事自体が難しいくらいです 従って舶来ブランドクラブであっても 最近ではバランスだけは国産品と肩を並べるクゥオリティーになっているかも知れません。 ただ非常に残念な事は、この方がその当時体験された 文頭に記した“いまだ話題にされるインパクトが強かったデモンストレーション”は 物販専門ショップのオーナーにとって“極めつけのパフォーマンス”であったかも分かりません それは物販ショップで「測定計器」といえば その当時から今に至ってまでも“バランス計”しか存在しないからです 確かに今でも輸入ブランドのクラブはバランスが国産ブランドに比べバラツキが多少は大きくなります しかし日報ノートで普段から記すように ネックの中でシャフトの先端にアジャストしてまでも(No129の日報ノート等を参照下さい…) 善からぬ方法で辻褄(ツジツマ)を合わせて表面的な数値だけを繕っている “駄目クラブの代表的な打算状態の組み立て” でもあります
 もともと昔からバランス計ひとつで さもアカデミックな部分をゴルフクラブの「サイエンス」に置き替えて客への販売、説得に用いられた “昔ながらの測定計器”がいまだに活用され 恐らくそんな商売で目先のまやかし品質チェックが賢い消費者に欺かれなかったのも ここ暫らくしか続きはしないでしょうが 今後輸入ブランドクラブが 当店店主などからすれば如何に国産ブランドに太刀打ち出来るかといえば 消費者の目が“本来の出来映え、品質を問う気持ち”と “正しいアッセンブル技法を持ち合わせた賢明な購入先”を増やす事に尽きると思います  所詮他の様々な測定機器 (振動数計、トルク計、センターフレックス計、クラブの各アングル測定器、重心アングル計…)は それらがあるが為に 物販専門ショップ自店のゴルフクラブの全部、国産ブランドや輸入ブランドを問わずに「売れが遠のく懸念」も存在するからに外なりません 各機材で測定した後に満足に合格点が得られるクラブセット、または規格に合致したクラブは皆無と店主の私は断言いたします。 
得てしてそんな店に置いてあるバランス計は アバウトな目盛りしか備わっておらず
「だいたいD.0ぐらい?ですね」 とやら 素人にはバランス数値をダイレクトに読めない(直読式では無く換算式?)が多いのではないでしょうか?
そこで今後の最大ポイントは 最近世界的なシェアを誇る「キャロウエイ社」などに見受けられる様な、アングルのチューニングができ(ソフトステンレス製) フィニッシュに鍍金を必要としない(削っても錆びない)ステンレス素材で “アメリカの国民性どおりの対応術”を用い 実際に使ってみてから重いものは穴を空けて、ブレードやソールを削って軽くする、 軽いものは鉛バランスを貼って重くする 「使ってみて自分に合わせて使う⇔これをフィッテングと呼ぶ」事でクラブは活きて使える代物となるのです。 アメリカのショップにあるバランス計は セットの中で最も自分に合ったバランスを探すため、 また合ったバランスに揃えるための計器であり 日本の場合、セット内では綺麗に順次合っているはずのバランスを確認だけして 反対にバランスが揃わずバラついているクラブセットのダメ出しをする為の確認用と考えられる まったく発想が根底から違う「測定計器」となっていると思われます 売られている量産品の たかがバランスの狂いを追及するより ネックに異物を放り込む手間もなく(価格も安くなるし・・・) その異物が多くのプレーヤーに災いを与えるような主客転倒した考え方を 今後は是正するべきでしょう。
例えば “アメ車”を購入すると 現地アメリカでは納車されて暫らくの間、実際に走行してから 万一の不具合をディーラーに伝え修理や直してもらうのが順番です 仮に納車後に始めての雨が降り 雨水が漏れて入ってくれば、 ワイパーが動かなければ、 それから後は水が入ってこない様、ワイパーが正常に動くよう穏便にディーラーへ伝えれば 順次対応してくれる事で特に問題視するような国民性ではありませんが もしこれが日本国内で国産、日本車が納車された後 前記の症状がおきればユーザーは間違い無くディーラーに目くじらをたて 厳重注意となるでしょう 車の品質がゴルフクラブと同レベルとは決して言えませんが “考え方の違い”が 目先の出来映えを たかがバランス計ひとつでクラブの性能自体を左右する事に成りかねない 数値管理の大切さと 難しさを垣間見る事が出来た お客様の一言でした。