10月10(金)

NO,132 (聞く耳を持っていただけない方への対応

 


 以前、当店店主がラジオに準レギュラーで出演させて頂いておりました頃の話しです。
レギュラーパーソナリティーは青芝フックさんと 学連出身で女子プロの福山与里子さんでした。 サブタイトルが「ゴルフクラブのお勉強」と名づけられ 私を呼んで頂くと月曜の朝、二日分の番組を取り貯めするのに、当日は局のオンエアールームで特別な打ち合わせをするでも無く フックさんが自ら持病の腰痛と戦いながらプレイされたゴルフ談義に花が咲き 最近のクラブはどうだこうだと 他愛の無い世間話しから順に 当日のテーマされたクラブの専門知識分野を私にお尋ねいただくか お答えするかの微妙な間合いで「ハイ!本番いきま〜す」と進行します。
実に小気味の良い絶妙のタイミングで 出演する素人の私を巧くリードしていただき 出演する人は普段通りのこなれた接客話術と同じような雰囲気で しかも要点だけを自然に聞き出していただけ 秒読み単位のCM直前までに話しの内容もスッキリ一段落させ あげくは「♪チャンチャン♪・・・それではまた明日」と“オチ”まで言って その日の録音はお終いとなります リスナーに簡潔明瞭に聞かせたいポイントだけを耳に伝え 相手から話されるる肝心な要点の部分を探り出し 会話の先を読んで番組を構成、演出させる素晴らしい才能が備わったフックさんは流石に「プロ」と感服しておりました。 お呼びにあずかった数年間、本来ラジオ番組のパーソナリティーに求められる“話術の巧みさ、面白さ”を 店主自ら勉強させていただけた良い機会と考えておりました
そう考えると当店に来場される方々は 店主がお伝えしたいクラブ選びの要点や プレーヤーから直に聞きたいポイントを当ギャレーヂ店内の接客、会話の中でどれだけ伝え、聞き出せているかに若干自信が薄れる場合もあります。 その典型的な例が あくまで来店当初は“相談事”とは言え あたまからシャフトメーカーを指定して来られたり ヘッドのカタログ数値を拾い出して「これが良い筈」と決めつけてこられたり 某メーカーのシャフトは「よく飛ぶんでしょ?」と聞かれ そうでもなければ?当店で扱いがすべてのシャフトに及んで網羅され ひとつ聴けば、ひとつ言えば答えが間違いなく他社シャフトの「これです!」と答えを一発で出せるシステムと勘違いされていたり プレーヤー自身が打感や球筋、スウィングのイメージを抽象的に表現されると(ソフトだ、甘い、軽い、悪い、早い、重い・・・では何の事だか殆ど分かりません)こちらはもうお手あげです。 もっぱら信頼をおいて頂け「任すから・・・」と言っていただけるのは有り難く光栄な事でありますが 始めて来店される方ほど 球を打っていらっしゃる姿を当方が拝見もしないで まして今どの様なクラブがどう御不満で 具体的に数値が計測されている訳でもないのに「ヘッドが合わない」「シャフトのせいだ」「こんな筈では・・・」と一方的に決めつけておっしゃるのにはやや閉口する場合があります。 実は店主も心の中では「そうじゃない、違うんですよ・・・」とつぶやいたり 抽象的な表現やプレーヤー自身の“訳が分からない状態”をくみ取ってさしあげ親身になって説明、解説をすれば良いのでしょう が、中には聞く耳を持たないで“何かを買いたい症候群”の方がおいでになり それでは益々困惑いたします。
シャフトを替えれば、ヘッドが新しくなれば、バランスを貼れば・・・ 決して適当に、先ず最新型に、小手先の処方で・・・では正解が遠退くばかりでよいチューニングや物事は見出せず解決しません まず最初に正しい数値管理が必要で現状の基点となる部分を設け 今より重い(軽い)硬い(軟らかい)ねじれる(ねじれにくい)左向き(右向き)が強い(弱い)・・・等の現状クラブスペックと 将来予定するべき数値の管理が出来ていなくては 先にも後にも進むべきではないのです 急ぐ気持ちは否めませんが ともかく測定が基本です そして先ず当店でお判りいただきたい事は クラブ選びの最大要点はシャフトであり ゴルフクラブに於いては
「シャフトありき!」で その重さ、硬さが 最初の重要なスペックと考えているのです!
ところがその時点で ナショナルブランドのシャフトメーカーカタログを手に 重さとキックポイント程度を対象にモデル、マークを選定しても他社、又は同じメーカーで 同じ重量でありキックポイント、トルクやウエイトポイントまでが合致したシャフトであっても球を打つまで味の違いは判断出来ないのです。 それら以前にヘッドのカタログ、またクラブのカタログで列記されている数値は あまりにも巾のある「固体ごとの公差」でロフトやライアングル、フェースの向きは一定で仕上がっていると信じるべきではありませんし「先ずシャフト!」と申しますように ヘッドは何某かがくっ付いていれば良く そのヘッドがボールと如何に強く、真っ直ぐコンタクト(インパクト)するか否かは すべてシャフトに係わって球は飛び出していくものなのです
『カタログスペックの謎』はメーカーデータで記されている“トルク”が最たる「?」でしょう 一部数社を除いてツルーテンパー式の計測法以外の採り方が用いられ カタログスペックが同じ数値を表記していても「秤自体が異なる為」に 数値は同じであっても実際は同じでないのが実状です。
ある方はウッドの#
1と メーカーが違う#3、#5の2本は他社同一メーカー、 もう1本の黒なまこ型のユーテリィティーはもう1社違うメーカーの計4本 フレックス表示は「レギュラー」のカーボングラファイトシャフト装着品をアイアンとのコンビネーションでバッグに入れてありました ところが振動数やセンターフレックス トルクやベンドポイントは 規格や秤、品質上もバラバラで 同じメーカー、モデルにもかかわらず(#3と#5が該当)規格上 揃っているのはクラブの長さだけでゴルフのプレイをされる上では店主から言ってしまえば 酷い例えになりますが「単に寄せ集めの練習用、試打サンプルのバラエティー溢れるクラブ」であったのです。
 このお話しを その方に総てお伝えするまで 実は聞いていただけるだけの余裕や聞く耳を持っていただけなかった事が店内で実際先日ありました。 もし仮に適当なシャフト すなわち 今トレンドのシャフトメーカーで軽くて少々軟らかいタイプを装着すれば 今より良い結果が出ていたかも知れません しかし短絡的で儲け主義の商売より 時間をかけてでも安心して長く使ってもらえる仕事をさせて頂くべきと 常日頃より考えた結果の仕方ない事と思っております。