12月5(金)

NO,140 (量産品の宿命 解説と課題はさて?

 


 先日質問箱No、218にディマルコさん という方より 「ピンブランドのアイアンセット」のシャフト交換は出来る、出来ないの問い合せがありました。基本的には前回の日報ノートで店主が思うままに記したように ピンアイアンも“ヘッドについては”次世代モデルとやらの2003年ニューモデルを発表して拡販に躍起の様子です まして2002モデルが登場してから早や1年でモデルチェンジ(i3⇒i3+)しています 昔々の“カーステンモデルT、U〜”や“EYEシリーズ”の様に活きの長い「初代フォルクスワーゲン・ビートル思考」のスパンでモデルチェンジしていた頃に比べ それは格段の早さです シャフトをライフルに交換したいと考えてメーカーに交換を問い合わせ調べると もうワンセット買えるような費用で驚かれた様子でした。当方も幾らかは分かりませんが凡その想像はつきます 何故そんなに価格が高く設定されてしまうのか今回その疑問に答え量産品の一括りの裏側に仕方なく生じる クラブ造りの至らない部分を考えてみようと思います。
 メーカーの生産ラインは以前にも記したように量産品を少しでも数多く売る、この使命が避けてとおれない為に量を多く作る事でコストダウンを図っています 例えばヘッドとシャフトを接着する工程ではその専門でそれぞれ“職工さん”がいます 
 
※(注意!)この場合の作業は単純作業のみを繰り返しをする人材であって独自の秀でた技術を持ち創造性や生産性の卓越した昔ながらの「タタキアゲの職人さん」の本職人ではなく現実に存在する本来の“クラブ職人”は後に記す、限られたパート部署にしか存在はしません
今の社会では景気状況から何が大変と言っても人件費が一番の問題です。メーカーに昔ながらの本職人をチャージする必要や、係わる人件費に資力が既に無く、簡単な作業で効率よく分業するのは最もな事であり荒っぽく云えば、その後グリップを装着して、箱に詰めて出荷するまで すべて分業ラインは“素人みたいな職人さん”で生産され出来上がります 少し詳しく言えばシャフトは所定の寸法に切り、糊しろの鍍金を荒らし、仕上がりのバランスは鉛のアジャスターを放り込んで辻褄を合わせ、ヘッドに糊を付けてシャフトを“そーろっと挿入”して始めてクラブの格好となります 当然持ち場の各ポジションでは任された作業が難しければそれなりに過去、修得時間や多くの経験も必要ですし 人件費は幾分か高給なより熟練者が必要となります しかし製造の工程ではすべて新品の部材を使い、決められたパターンや方法でアッセンブルのみする事はそう難しくはありません ところが未経験な部分が作業上有れば有るほどより熟練の経験者を要し、人材の配置、登用も難しいばかりな事は 仮に未経験の修理や手直しが必要となれば一連のクラブ造りを修得し 造り方が分かっていて始めて折れたシャフトや付いているシャフトを抜く事が可能です しかも抜き方は付ける時のまったく逆に手順があるわけではありません 如何すれば効いている糊をバカにしてヘッドを生かしシャフトを抜くか? またネックの際で折れているシャフト抜きやグラファイトシャフトの場合、ウッドの場合ではネック形状や脱離が出来ない素材、あんな場合こんな場合・・・ この領域は一朝一夕に聞いてみたり見学しただけでは手際の良い手間仕事や労力、作業が成しえません そうなると修理部門の担当者は当然年季の永い熟練者となります 従ってイレギュラーな交換や折損修理、特殊なアッセンブリーに於いては一度造られたクラブを解体してからの再度組み立てとなり、割高値が仕方なく設定されるのがメーカーへ修理や特注品の注文、価格面や納期の長さへ反映されるのが原因と考えられます。
 量産品の大多数はアッセンブル工場へ外注されるか 自社工場といえどもグリップからシャフトの一本一本までは製造できません 所詮外注品のパーツ、パーツを組み上げるのみです ましてヘッドを生産できる態勢はかなりの規模の施設を必要とします 海外製品がヘッドには多く特注品を依頼しても またメーカーブランド品でシャフトや規格外のサイズを発注しても思うような対応は望み薄で不可能な状態です
「ブランドだけ」の価値はあっても価格に反映しない 大抵は広告宣伝費やプロへの契約料、ライセンス料や中間マージンの過量と思える部分に費やされ 大量生産の余波がメーカー工場へのイレギュラーな作業に高価格でしか対応できない構図では消費者が今後、充分な検討をされる必要はある筈です
片やオーダークラブが単に流行の好きな部材、種類のヘッドやシャフト、グリップを単に組み上げただけの物と勘違いされても困りますが 本来修理やチューニングに生かされる手法技術を一人の本職人が“一つ一つ生の部材・パーツを吟味の上、組み立てて最適な仕上がりにチューニングして提供するオーダークラブ”は本来職人の技が生きた内容と言えます。
元来ゴルフクラブはシャフトの素材やヘッドの材質・構造で毎年毎年、飛躍的には距離が伸びたり飛ぶ方向の正確性は増したりしません まして色やブランドでもありませんがクラブに於いて長さや体積、構造上ルールに規制される為 コスメティックな部分や最大を謳った単にサイズだけに執着し“茶を濁している”のが現実のようです 本来シャフトありき!と考える店主と致しましては メーカーが考えも考えたあげくに最新モデルに装着するシャフトに早く見切りをつけ 修理の対応時間やシャフトの汎用性、価格訴求で「ユーザーに本来最も合ったシャフトチョイスが合理的にできるクラブ選び」が良いのではと常々考えております。