12月16(火)

NO,141 (量産品だけの宿命ではない課題が・・・

 


 いつも当店でしている作業の手順、工程や使う材料は定番の決まっている、作業上安全で、手慣れた感覚の使い勝手が良い道具や冶具 力加減が手先で自然に分かる工具を使用しています
一般消費者のプレイには殆どどころか まったくと言って良いほどこちらの都合ばかりの事で 実際プレイには影響の無い事ですが クラブの組み立てや作業においては いずれ消費者のマネー(財布)に随分影響する事を考えないといけない事実がそこには多く存在します 
例えば他店でリシャフトされたクラブが当店へ何かの都合で持ち込まれた場合 当店の技法を何時ものとおりにすすめようとした時に問題が生じる場合があります 先ずグリップを抜こうとすると当然下巻きのテープが巻かれているのですが各店々や使う職人さんの違いで その種類は多種様々です グリップを抜く為に上手く溶剤を注射しても下巻きの両面テープがグリップの内側にくっ付いてシャフトは裸の状態でグリップが抜けるのです 当然再利用する為にはグリップの内側に残っている両面テープをそぎ取るわけですが なかなか簡単にはそぎ取れません “モドリ”の付いた冶具や ワイヤーブラシ状の冶具を使って内側にへばり付いたテープを掻き出すわけですが もともと粘着材がゴムにくっ付いている状態ですから簡単には取れません そうしているうちにグリップが所詮ゴムですから外に広がり伸びてしまう場合が多く 改めてクラブに装着しても ブカブカして緩く大きくなり 「違和感有り!」となって 結局は新品のグリップの購入、装着をお願いせざるを得なくなります そうなってしまう理由の一つはグリップ装着時、シャフトに付いた手や何かの油脂成分をクリーニングしないでテープを巻くと グリップを抜く時にテープの粘着材がグリップと強くくっ付き シャフトとテープはあまり強くくっ付いておらず こういう結果となりますし またテープのメーカー、品番は相当数の種類があり 文具用の両面テープとは粘着材(糊)の種類がどうも違っていて 金属やグラファイトと またゴム製のグリップとの相性の良し悪しは結構有るようです 一般アマチュアがDIYでされているなら仕方ない事ですが 文具用のテープがプロのお店で使われている様相も考えられます  当店では何時ものあの品番と決めていて作業時の綺麗さや扱いやすさを考えると 実はコスト面では結構高くついても後々の処理は簡単で綺麗に仕上がり グリップの再利用時にそのテープの優秀性が生きてくると考えています。 ところが当然量を多く消費する量産品に多く使用されているコストの安いテープは グリップの再利用を考えたり 抜いてからの作業を考えて使わない場合が殆どで 生産コスト全体に影響すると思われるコストの安いテープを使用する為 往々にしてグリップ内側に残って グリップの再利用を拒む結果となります  テープによって特にカーボングラファイト製シャフトに強力に接着して剥がす事は不可能なテープの銘柄を使って付いている事もあります(あるメーカーや何処かのショップですが・・・) もしグリップを切り取って作業しても(又は必ず“スッポン”とグリップだけは抜けても テープはシャフトに付いたまま) 次にテープを巻く場合その上から巻くか カッターナイフの背側を使ってグラファイトシャフトを傷つけないように “しごいて” テープを取らなくてはいけません スティール製のシャフトであれば刃を使ってそぎ取るのですがグラファイト製では それが出来ません “当店だけの勝手”かも知れませんが 他店で仕事を依頼されると既に付いているグリップをすべて切り取り、再利用はしない場合が多いようです 以前当店で替えたばかりのグリップを あるブランド品が付けたくて そのブランドクラブ取扱店に持ち込まれました(ブランドクラブを扱わないとグリップだけは入手できない為) しかし店側は もともと付いているさらの綺麗なグリップであっても抜くことはせず 当初から依頼者の有無を言わせず切り取って “ブランドマークが付いただけで高い値段のグリップ” を付けてくれたそうです しかしそんな事実を店主の私が知っているのも また次に同じブランドグリップの店へ行ったら 有無を言わせず切り取られ 新品購入を迫られる為に考えた結果のようです
「ブランド物のグリップは細すぎるので 少し太くしてください」 とその方はばつが悪そうに当店に来られ ついこの間 当店で新品を付けた覚えがあるので尋ねると そんな状況だったという事でクラブを持ち込まれた時のお話しです
そもそもブランドグリップを付けた店では「付ければ良い」訳ですから 尤もかも知れません しかし資源の無駄を省き コストをかけず再利用できればと思い先ずグリップを抜く作業から始めるのが当店流の考えであります。  
 そうして漸くグリップ内側をクリーニングして 次はヘッドとシャフトを分離させた時シャフトの先端に異物が入っていた場合に遭遇するとします 善からぬ職人さんがスウィングバランスを整える為シャフトの先端内径部に鉛を埋め込んで仕上げてあります 当然次にシャフトを再利用するために 糊をまぶされたシャフトの先端でヘッドに挿入時、ピストンの様な状態ではネックのシャフトインサーション(シャフトの挿入孔)には入りません シャフトを空気抜きの有るまったくのパイプ状に復元するために 内径に合ったドリルで棒状の鉛を潰していきます 多量の鉛が圧縮されていてシャフトと鉛がタイトな状態で挿入されていると ドリルの刃が切り込んでいく摩擦熱がシャフトへ結構なダメージをあたえます まして2〜3センチくらいで貫通すれば摩擦熱も知れたものですが 刃長が足りずにロングドリルに替えてグリグリやっていると 再利用するシャフトのネック部分へのダメージが心配です 仕上げて売るだけしか考えない専門店?は多々あるでしょう 勿論量産ラインの組み立てについては前回の日報ノートで記したように “素人職人” がさらで新しい部材ばかりを使って簡単に作りあげていけます 量産品ではなく市中のチューニングショップでも シャフトのスパインやスウィングバランスをとり直したり フェース面上の打点の位置関係を考えると 辻褄が合うまで鉛をネックに放り込むのは チューンダウンであり パンセル(発泡剤)やグルーを打ち込む機材(当店が販売中!)を導入されないでネックに鉛、真鍮リードを入れて 「安く早く 仕上げます!」 が 実は消費者にとって言い換えれば 「お金が貰えない 手抜きで いい加減な仕事は 素人の見た目だけでは分かりません!」 となってしまっているのが淋しい実状です
 当店の機材を導入検討され見積もりにかけて頂き 実際は購入を先送りされる先様のご意見は一応に 
「機材の内容は良いのだけれど 購入する価格、資金面で折り合わず、商売にならないので考えます・・・」 とおっしゃいます それは皆さんの都合があっての事で仕方有りません まして当店の機材を検討頂いている訳ですから前向きな考えがあるお店とうかがえます が 店主の私と致しましては
「始末の悪い安物テープを使ったり ムッチリ鉛棒が入れてあるクラブを そこそこの値段で売るくらいなら もっと消費者に対して考えないといけない 大事な価格面や他の訴求面の検討が必要では?」 と思うショップが 数多くある現実を憂慮してしまう事が現実です