5月10(月)

NO,156 (たった3点のパーツが どうして?シリーズ1)

 


 先日新聞で「外食」産業や 家庭での「内食」も景気の動向から伸び悩むなか ある老舗の高級和食料理店社長が目を付けた「中食」の手作り惣菜店を起ち上げた記事が載っていました 調理する調理師にとっては食材の新鮮さが大切であり どんなに素晴らしい調理技術があっても食材がよくなければ美味しくないとコメントされていました
またレストランでは作りたての料理をその場で食しますが 持ち帰る惣菜店では作られてから食するまで時間がかかり 食材の色艶が変化して見た目の美味しさが変わってくる そんな苦労、難点を「調理する職人の腕」で解決する大事さもコメントされていました
確かに調理する腕の確かな人が 本場の選び抜かれた新鮮で自然に近い食材を使えば それに越した事は有りません しかし新鮮で本場の選び抜かれた食材を扱う調理師の腕が悪いと美味しい料理は出来上がらないのも事実でしょうし 記事を読んでいてゴルフ業界人として考えさせられた事があります
 
日本国内で「ゴルフ」というスポーツが一般的に根づき クラブの販売に大きな市場が生まれた背景には 今と違って以前の景気がよい頃 社用族の接待に利用されたり 一部投資家が会員権の売買で利ざやを稼ぎ ゴルフをしない人まで駆り出された頃のバブリーな景気やうわついた経緯がありました 既存の物販店は 今まで新製品が出れば買換え需要を期待でき 消費者もクラブのチューニングやメンテナンスより 新品のクラブを買ってゴルフのプレイ、スコアに対してニーズを満たす そんな方程式が成り立っていました しかし現在ではもっぱら中古ゴルフクラブの店が繁盛していますし しかもインターネットで世界中、日本中のゴルフ商材が 最安値で手に入れる事も不可能ではなくなりました もうクラブやゴルフ用品は高級品が黙っていても売れる過去の“良かった時代”ではなくなった 今では消費者主導の市場を創りだしています
 前述の食材、食品を扱うお店、業界に似かよった内容かもしれません 高級和食、割烹料理店は景気が右肩上がりの時でこそ流行る展開であったパターンです 時代のニーズに合わせ「美味しい物は高いもの」ではなく「美味しい物をお値打ちに」と変化しています 
 消費者がクラブを購入する時 メーカー、ブランド品はヘッドの性能、構造を盛んにアピールします 最新型は旧モデルに比べて ボールの直進性や飛距離の増減 ヘッドの反発係数や フェースの薄さがセールスポイントです 中にはグリーンの奥まで飛びそうな「二番手よく飛ぶ保証付きアイアン」や バンカーに打ち込んでみたくなる「バンカーが得意になるサンドウエッジ」 グリーン上でパター数を気にしなくても勝手に「スコアの縮むパター」等などが ショップやネットでプレーヤーの目前に出現しています しかしシャフトやグリップについては ほんの少し“低トルク”とやら“高弾性”という言葉が羅列され それ以上の解説やアピールはありません また詳しく説明されても 一般消費者は分かったような 分からないような… 誰が買ってもグリップは通り一遍の太さで仕上がっているクラブが ヘッドを決定すれば シャフトの硬さがレギュラーかスティッフか ひょっとしてSR(レギュラーとスティッフの中間)を選択するだけで ベストマッチングなウッドやアイアンが手に入れる事も可能と勝手に勘違いする 綺麗なパンフレットで誘引しています
クラブの組み立ては たかが「シャフト、グリップ、ヘッド」を どう組み付けるか?パーツ部材は以上の3点です
今の時代 消費者は賢くなって 良いと思う部材をインターネットや中古クラブ店で 自ら調達し 自分用にあったクラブに組み付ける作業を得意とし 当店にも多くの方が来場します 業界の活性化にそれはそれで良い事ですし お仕着せの 価格が高い、打っても合わないシャフト、ヘッドを無理やり 買うことも無く ほどほど無難にゴルフ業界に寄与し 親しんでいただけます しかし問題は “たかが「シャフト、グリップ、ヘッド」を どう組み付けるか?” この事に尽きるお話しが待ち受けているのです。
「良いクラブ選び」は価格が高い物ではなく 自分に合ったパーツをアッセンブルして「合ったクラブをリーズナブルに」が今後ゴルフ業界の活性化を促す一つの題材として考えられます 続きは折を見て 次回から・・・