6月8(火)

NO,160(アイアン九死に一生の仕上げは大変?シリーズ3

 


 近頃店頭で売られているブランド物のウエッジには さまざまなロフト角度と さまざまなソール角度が品揃えされています またフェース及びそのヘッドデザイン、形状も千差万別の種類があり それらを選ぶ消費者も何が良いのか 求める対象を絞り込む事自体 なかなか大変な様相です 本来ロフト角はボールを打ち放った時 飛び出す弾道の高さを決めるファクターであり ソール角はヘッドがグラウンド(地面)に接地、接触した場合にバウンドをさせ スウィング中ヘッドの走り、抜けをコントロールするファクターと考えられます
本来ソール角と呼ばれるアングルは「ソールインバーションスクープ」または「ソールインバーションバンス」と呼び 前者はリーディングエッジがトレーディングエッジよりグラウンドに近づくソール面の角度が付き 後者はトレーディングエッジが リーディングエッジよりグラウンドに近づくソール面の角度が付いている“ソール面の角度”を総称します 通常スクープ角、バンス角と呼び リーディングエッジとトレーディングエッジが グラウンドに平行な面を保持する場合を フラットソールと呼びます 昔サンドウエッジが無かった頃 砂用のウエッジにバンス角が多く付けられてエクスプロージョンショットを飛躍的に 簡単なショットとした 革新的なサンドアイアンが ジーン・サラゼンにより発明され バンス角度を付けた「サラゼンサンドアイアン」と名付けました 
フェースを開いて(オープンフェースに構えて)インクリースロフト(軸線基準の本来のロフトより 実際は大きなロフトで使う)で 球を打つ場合、ヒール側のリーディングエッジからトレーディングエッジにかけての切削、研磨が抜けを左右します それではカタログスペックや ヘッドに堂々と刻印されている ロフトやソールアングルは角度が果たして正確で 間違いなくセッティングされているのでしょうか? シャフト軸線に合わせて プロトラクターに表示される角度は仮に刻印された数値のとうりに 定規をセットして ソールに当てるとメーカーや モデルによって また同じモデルのクラブでも 個体差で結構数値に違いが生じているものです 当然アングルチューンする場合では ロフトアングルを動かせばソールアングルも連動して動きます シャフト軸線を基準にフェースの仰角を変えると 一体物のヘッドはソールアングルが動く 至極当然の道理が分かって頂けないプレーヤーが (プレーヤーどころかチューンナップショップ側の専門家?)たまにいらっしゃいます

変更する場合でも 仮にロフトを立てると(少なくすると) ソールアングルはバンスが少なくなり(スクープが多くなり) ロフトを寝かせると(多くすると) ソールアングルはバンスが多くなり(スクープが少なくなり) アングル変更する時一概にロフトのみ またソールアングルのみを考えて動かす事は少々危険な場合が 当然考えられます
 
当店で一度シャフトを抜いて チューニングする場合はシャフト軸線を 飛球線側やその反対側にあえて振り(倒して)装着する場合があります 飛球線側に振りシャフトを装着するとロフトは寝て(多くなって)仕上がり ソールアングルはバンスが多くなり(スクープが少なくなり)ます そこでロフトを 起こし元のロフトアングルにする事で ソールアングルはバンスが少なくなり(スクープが多くなり) オフセットの形状に変化が生じ(リーディングエッジが後退し)視覚に違いが現われて仕上がります また反対にシャフト軸線を 飛球線側の反対側にあえて振り(倒して)装着する場合は ロフトは起きて(少なくなって)仕上がり ソールアングルはバンスが少なくなり(スクープが多くなり)ます そこでロフトを 寝かせて元のロフトアングルにする事で ソールアングルはバンスが多くなり(スクープ少なくなり) オフセットの形状に変化が生じ(リーディングエッジが前進し)やはり視覚に違いが現われ仕上がります これらの技法を用い 番手間のネック形状を “一部分イレギュラーな形のもの”から一連のスムースな流れの視覚的に整った形状にする事が「チューニングの必須項目」と思えるバラ付いたヘッドが 単品であれ セットクラブであれ 巷の店頭にはふんだんに在庫され 飾ってあるのです
 
それは 当然量産するヘッドの シャフトインサーションダイア(シャフトの挿入穴の径)は そうタイト(キッチリのサイズ)でなく 簡単にシャフトが入って糊だけで簡単に接着出来るよう 大きめに開けてあります 結局シャフト軸線が振ってあるのか 振られて入ってしまったのか素人では違いが分かりません ロフトやライ角度を計測してから量産品は買わないのが普通の考えだけに結構怖い物が見え隠れしますが・・・
けっして別注用の単品、又はセットのヘッドとは云え シャフトさえ装着すれば ロフトやライ、前記のソールアングルや ネック形状がピタリと合うものでは有りません 量産品に見受けられる研磨工(“職人さん”では無く“職工さん”) の削りは 番手間で合っている訳ではありません 所詮効率を考え 職工一人に一番手のみを削らせて作業能率をあげ量産体制を採ります。 反対に一人の研磨工が 全番手の形状やシルエット、一連のスムースな流れの視覚的に整ったネック形状に重量を整え 丁寧に仕上げていては作業効率があがりません。
致しかたないない事ですが 言い訳できない事に いくら別注用のヘッドとは云え シャフト軸線が全番手整い 誰がシャフトと接着をしても 後の作業工程やロフト、ライ角度 スウィングバランスが カタログスペック様に仕上がるヘッドを供給してくる研磨工場は私の知り得る限り 今までに存在せず 取引もありません 「組み上げ方の良し悪し」が折角の名高い研磨工場製のヘッド、クラブの出来映えや 世間の評判を左右するのです  実際組み立ての作業していると 「ヘッドは組み方で生きるか死ぬか」 そんな事実があるのです