8月10(火)

 NO,165 (景気の動向に対応した 苦情処理

 


 最近は景気の動向から 何業をされているにしても商売がなかなか難しく 道すがら自転車で走っていても シャッターが降りたままの「貸し店舗」が多く目立ちます つい先日立ち寄った 近くのお店も張り紙一枚だけで “閉店の案内” が掲示されていて 私と致しましても一人で小さな店を営む店主なりに 現実は厳しく淘汰される時代をひしひしと感じてしまいます

 
私がゴルフを本格的に始めた昭和40年代後半、ゴルフショップの殆どは “間口2〜3間(4、5メートル)の 普通の商店っぽい店” が大半で 今時街中に存在しても そんな面影の店は過去の遺物として扱われるような内容です ビルの一階にテナントショップで入っていたり ロードサイドの郊外型店舗は珍しく 当然時季のバーゲンやディスカウントプライスは表立って標示は無く 近所の人が店のオヤジに薦められるまま 手袋やボールを買いに行ったものでした やがて一般の大型量販店の スポーツ用品売り場の一画にゴルフ売り場が作られ 値引き販売が常になり 百貨店にもゴルフの売り場が次々オープンして 時季、時期のバーゲンセールも予想どうりの売り上げが達成され 輸入商材が高根の花だった頃、並行輸入品を扱う専門業者の凝った店が話題をさらい バブリーな時にはクラシッククラブが驚く値段で取引され 常にこの業界は“安い、安い!安い?” 次に “有名!珍しい!よく飛ぶ、曲がらない、よく入る・・・” 簡単明瞭だけのキャッチコピーで安直な商売がなされて来た低俗な業種の観があります ゴルフ用品を扱う物販業界で 小売店はゴルフブームが去った 第一次オイルショック以後の昔から「値引き合戦」が激しく、ここ暫くの間は 大型のゴルフ専門量販店が勝ち名乗りをあげていた様子ですが 値引き、安売りが高じ はからずも乱売気味の風潮で儲け、商売の難しさは 資金力やスケールメリットだけでは通用しない時代ともいえる昨今です とは言え街中のパパママショップ(夫婦二人の個人商店)は 大型店の波に呑まれ物販だけでは到底太刀打ちできず閉店 廃業に追い込まれていきますし 百貨店の売り場も苦戦を強いられ 為替レートやオープンプライスへの移行で並行輸入も儲けが薄く 取って代わって今商売が伸びているのが中古ゴルフクラブを専門に扱う業種です 我々のような専門技術職で営む業態が漸く 細々とマイナーな道を歩んでいるにすぎない 所詮は趣味、趣向の遊びの道具を扱う 第三次産業の最たる一面をかもしているようです

 
日本のゴルフ用品業界には欧米には見られない独自の流通組織が根付く「問い屋」があり メーカーは問い屋に商品を卸し 問い屋は小売店が必要な商品を 中間マージンを抜き卸す これでメーカー側の希望販売価格が護られ 値崩れを一瞬は止めているかのように組織だった頃もありました メーカー規模の組織では営業先として数多くの店々へ販路をつくれず 問い屋がエリアや売る商材を分け合って 小売店に供給すれば 商売もかつてはスムースでした しかし前面の小売店店頭での売り上げが窮する今日 メーカーも問い屋にばかり頼ってはいられません 時代がそうさせたのかメーカー直販の態勢を整え 「買って貰えばそれで良しとする考え」が蔓延しだしています メーカー直営ショップや メーカー直販店は 売れ筋商材がつかめ先行きが読めるパイロットショップであり 反面メーカー直販の分儲けが多く 実は美味しい商売でもあるのでしょう
 もう一点はネット上での無店舗商売です 元来昔からの商売は普通、大なり小なり店舗を構え ある程度何がしかの商品在庫をして その店で来客を待ち 店頭に並ぶ商品を販売する これが商いの基本にあったと思います ところがネットショップは 無店舗でしかも在庫がまったく無くても 客の注文に応じて それからメーカーに注文発注し、メーカーから入荷後、客からの着金を待って発送する この流れですと在庫負担はゼロ、代金回収は100%、ペーパーマージンのみの繰り返しで確実に儲かります またそこで発生する問題は訴求価格の安い事で 原価から最少の利益を上乗せしてネット上で訴求します 確かに一般消費者は同じ物は安ければよいわけで このHP上で過去に記したように 手元に届けられたパターやウッドの顔形状、フェースアングル、シャフトの硬度等・・・出来栄えの個体差があまりにも大きく 「構えられない・打てない・後々何とも出来ない困った状態」 に陥る事が多く それは買おうとする商材を 「目の前で直に見て判断する事が出来る 店頭での対面販売」が無く 消費者側の購入責任を購入時点の選択肢にある程度組み込んで 販売者側が商売をスムースに運ぼうとする気持ちが多分にあるようです

 
まして困った問題が最近多く見受けられるのは シャフトの単品販売です 購入者が当店に装着依頼されて来られる場合に最も困った状況となるのは 当店で購入して頂かず「持ち込みシャフト装着」の場合です シャフトは流石にコピー商品や並行輸入品など余程の事が無ければ品質、規格にそう大差や問題はありません  特に “世間では人気が高く売れている”  国産売れ筋メーカーを扱う無店舗業者がネットで販売する価格は確かに安く一般消費者に供給されています その場合シャフトだけを売って終わる商売は簡単で商売としては成功につながりやすい事でしょう しかし問題はシャフトを “どこでどうして装着するのか?” という問題が残されてしまいます 
 当店で先日ある知り合いのチューンナップショップの方が また数人の当店内部事情に詳しい取り引き先関係者から『苦情?』が寄せられました(←えらくたいそうなものではありませんが少なくとも真剣でした) 
 
「作業料金と作業内容に相応しい技術を伴なっているかどうか価格設定の事」が真相です
  例えば「シャフト装着料金が安すぎる!」それが持ち込み品でも 以前のシャフトを抜き、新たにスパインコントロールして接着、それがソール貫通タイプのヘッドでも 以前のグリップを抜いて再装着(手に大きさに合わせて)して 今までギャレーヂの価格設定は安すぎるのでは?と云う内容です  確かにその後、ずばり指摘されてからネットでさまざまな価格体系を見ていると 先ず持込み品、シャフト脱、装着、グリップ脱、着 の工程でそれぞれに、そこそこの作業値段を区別して書いていますし スパインやバランスの合わせ方も触れられていません 実は触れていない店と 関知しない店 関知しようにも技術的に触れれない店 測定機材や技術内容など、いろいろ事情はその店にあるのでしょうが・・・
  
あらゆる注文、作業にはさまざまな技術が必要で 高度なテクニックや素早い応対 綺麗な仕上げには見合った作業工賃が必要です 最近来場される方々に当方が遠慮せず価格面でのお話をリサーチ、聞かせて頂きました するとやはり全員が当店の技法をもって作業してでは「安い!」と返答されます 反対にこの十数年、当店は具体的な“値上げ”は致しておりません また当店も景気の動向からして客数は増えておりませんし反対に客単価は減っています 価格体系の見直しを余儀なくせざるを得ない時代になったと思う反面 ここ暫く価格設定の事でさまざまな他所のショップの作業の価格設定を垣間見て 当店が今後ほどほどは収益のアップが見込めるだろうと判断する 世間は厳しい状況と 他所様がお持ちの技法や技術力をWEBで見たり 取り引き業者の方々から勉強させていただけて 非常に有益な時間を過ごせたと思う苦情処理の案件でした