10月12(火)

NO,170(たった3点のパーツでグリップが? シリーズ5

 


 グリップ個々の重さは 同じ種類の同じグリップを2本測っても3本測っても様々で、コンマ数グラム違う場合が殆どです 過去には差が多いと1コンマ数グラム 仕入れたロットによっては数グラム近く差のあった事もありました 先日ティーチングプロのアイアンクラブ10本をグリップ交換している時の事です 付いていたグリップはカッターナイフで切り除去した後、新品のグリップを装着前にグリップ無しでスウィングバランスを仮計測し、グリップだけの重さも計測、カウンター状にどの重さのグリップを装着すればスウィングバランスが整うか⇔グリップ無しでバランス計に載せ計測したバランスとグリップ重量をカウンターに充て仕上がりバランスの平均を考え読み⇔番手を追って挿す順番を整え、下巻きテープは番手すべてに全く同様の螺旋に2回巻き、順次グリップの伸ばし具合を揃えながら、それぞれリーディングエッジに対し“スクゥエア”にグリップを挿入すれば出来上がる・・・以上の手順どうり下地をこしらえ先ず一本目を装着しました 目前の彼はグリップの太さ、向き、感触すべて「OK!」次の2本目です「エッ?」3本目は「OK!」戻って2本目はやはり「細い!」4本目は「OK!」5本目、6本目・・・違いが顕著になってきました 太さが、テーパーが、微妙に違います 左手部分を伸ばしたり縮めたり 次は右手部分を伸ばしたり縮めたり・・・ 10本口の全く同じシャフトに、同じ下巻き回数で、同じテープを使い、同じ種類の、同じ内径で、同じ袋から用意した10本組のグリップです 同じ袋とは云え元々は一箱に150本入っているのがグリップの「箱単位」です しかも先日付けたグリップの太さがしっくり来ず あらためて結構新しいままのグリップを切り取って交換している時の事でもあります 以前からやはり同じ種類の、同じグリップ(世界的なメーカー製で定番中の定番グリップ)を彼は好んで使っています 今までそんなクレームは殆どありませんでした が、しかし一本づつ太さを確認しながら挿したり抜いたり・・・これでは作業の空回りで効率が悪すぎ 双方到底納得できません 知り合ったその時から(20年近く)何時も好んで使った馴染みのグリップから仕方なく最新型のグリップに今後は変更です シャフトが同じで下巻きテープも同量、過去に無かった仕上がり太さが違う経験は“グリップの厚み?が違う事”で結論づけられましたが 彼以外の方が仮に1本グリップ交換して 後日また1本 そして1本・・・ではサンプル品が手元に無い場合果たしてどうなっていたのでしょう 品質を問う部分が重さ以外に「挿すまで分からない事」に及んではグリップ装着になかなか難しいものがあるようです

 
当店でも一般客からグリップ交換の際 現状付いているグリップから違うマーク、種類のグリップに変更を 相手の客の側からすすんで依頼される時
「下巻きは2回で頼むね!」とか
「右手部分は3回巻いて太目にネ」と 具体的に指定した注文を付けられます
それは 何時も下巻きテープの巻き数は“どのようなシャフトにも2回巻く事”であったり“ストレート状のシャフトでも尚更右手部分を太くする事”であったり“テーパーの緩いグリップで右手部分が太くなり過ぎる懸念があっても同様で 少し勘違いや、考え違いをされている典型と思います
作業する側の高度で正しい技術を持ったクラフトマンは“プレーヤーの手(手の大きさ、厚み、指の長さ、太さ・・・)を直に見るだけ”で
「このシャフトに あのグリップでは 次に仕上がるスウィングバランスはどれ位変わり(重たくなるか 軽くなるか)幾つになるか? 何回テープをどのように巻けばフルレングス持って振る時ばかりで無く やや短めに持ってスリークゥオーターで振る時も しっくり持てるジャストフィットサイズとなり得るか?」を即時に判断出来なければなりません

ここで云う「このシャフト」とは

【ストレート状か、緩いテーパーか ステップが付いているか、否か 元々バットダイア(シャフトの直径)が大きいか、普通か、小さいか】を見極めて

「あのグリップ」とは

【在庫する内径がゼロコンマ58インチか、60インチか 元々そのグリップは肉が厚いか、肉が薄いか グリップ自体はテーパーの付き具合が強いか、弱いか 重さが現状のグリップに比べ平均が重い為バランスは軽くなるか 重さが軽い為バランスは重くなるか】も見極めて

「何回テープをどのように巻けば」は前記の判断基準から

【下巻きテープを何回、右手部分には、左手部分は巻けば フルレングス持って振る時ばかりで無く、やや短めに持ってスリークゥオーターで振る時もしっくりしたサイズとなり得るか?】
 の内容をいいます

店やところによってテープの種類もさまざまでしょう テープ自体の厚みや、布いてある糊の特性、注射した溶剤で溶かした糊が上手く溶ける 溶けない状況ではグリップの再利用出来なくなる場合も想定されます 一度挿した都合成り行き上 太さは少々手に合わなくても抜いたり、太さを調整する事は拒まざるを得ない技術しか持ち合わせていない店も多々あるようです
「再利用(抜いて太さを調整して挿し直す作業)は一切出来ません」の断り書きは あまり親切心が無い店か 抜いたり挿し直す技術が無いのか? 非常に疑問点ですから事前に聞いておきたいポイントです
当店で使用するテープは価格が一本あたりは若干高くても、作業上きれいに、効率良く仕事が出来れば良しとする物を使っています しかしメーカーやショップによってはいわゆる量産が目当てで“挿すだけを考えて抜く事はしない”比較的値段が安いテープを使用しています その為か 糊の特性がマチマチで、抜いた後グリップの内側にテープがコビり付き、グリップの再利用が出来ない種類もありグリップの太さを調整したい時 元の売値は再利用できない安価な下巻きテープ分少々安くても(実際安くもない売値であれば尚更!)グリップは脱着再利用が不可能で 消費者は返って損な事態を仕方なく経験します
先ず皆さんがショップでグリップ交換を依頼される時は
 
 
@ 仕上がりの太さは 装着を指定したグリップとの相関を上手く判断しているか(同じ太さの注文以外、手を見ないで装着出来る職人は居ない筈)

 
A 仕上がり太さが万一違った場合 その場で抜き、再度上手く合わせて装着出来るのか

 
B 複数本持ち込んでも(多種類のシャフトに)すべて揃った太さに仕上げて出来るのか

 
C 複数本でなく1本でも“現状のスウィングバランスを計測した後”に作業し、グリップ他、重量管理のうえ元のバランスに合わせて作業できるのか

 
D グリップ代自体は安価でも「装着料」は装着技法、技術に見合って設定されているか

 
E 仕上げ時間は普通直ぐ出来る筈の1本でも“長引かせる分”高く設定されていないか(余程の事がない限り当店では1本では完了に3分 セットで10本くらいで朝で夕 夕で翌朝仕上げが基本)
 
 
F 溶剤によっては直ぐ打てない それは玄人が使わない溶剤(アマチュア用?)を使用している為 スクゥエアにグリップを挿入する“時間の余裕”はあっても 玄人では通用しない「腕の無さ」の為

など 言い出せばキリがありません
もしお気付きの点があれば「ゴルフの上達にグリップの大事さ」は 皆さんご存知のとおりですから 是非チェックの対象にしてください