11月9(火)

 NO,172(ロフトの不思議で 猛反発な反発係数?)

 


 先日の日本オープン選手権が行われた片山津ゴルフ倶楽部の会場に於いて 試合前日の2日間、ドライビングクラブの「ペンデュラムテスト」がJGA主催競技で初めて行われました(今年の「日本ゴルフツアー選手権」はJGTO主催で実施された事がある)
R&Aの委員とJGAの委員の方(用具審査委員)がその後に会見とデモンストレーションを行ったようです このテスト方式は 今年の11日から“ドライビングクラブのスプリング効果を測定する方法”で クラブヘッド(フェース)へ振り子に付いた鉄球をぶつけ その接触する特性時間を計測し 基準を超える数値のクラブは競技の条件に適合せず違反となる規制を設けるものです 選手が任意で使用するクラブを計器にかけ競技の条件に適合しているかどうかを確かめるために実施されましたが 過去にテストされたすべてのクラブは規則上「適合」の結果が出たようです
現在ルールの総本山とされる英国R&Aが定める「ドライビングクラブ」(ドライバー)の定義は「ロフト15度以下」と明記され反発係数が規制されているものの それは「ドライビングクラブ」に限ったことであり その意味で言うとロフトが単に“15度以下”とは言え実際「どうやって測るのか?」が当方は非常に疑問と思っております 

 
※R&Aより「スプリング効果」規則の現行の解釈と 現行の「テスト内規」の適用を説明する文書が11月1日届きました それによると付属規則U、5aにある「スプリング効果」の適用は

 
1、ペンデュラムテストへの適合性は必要条件だが、十分条件ではない →今回は説明文を割愛します

 
2、競技の条件の中の「ドライビングクラブ」の意味 
  →以下は説明文

「ドライビングクラブ」のR&Aの歴史的な解釈はロフト1以下のクラブです しかしながらR&Aはロフト1を越えるクラブをドライビングクラブとみなす事があります。疑念を避ける為にR&Aは「スプリング効果」について、ロフト1を超えていて「ドライビングクラブ」とみなされないクラブを含むすべてのクラブのデザインの革新を監視することを続けるという事にご留意ください 必要に応じてロフトに関係なく いかなるクラブも適合性の裁定の前にテストをする事が条件となることもあります ロフトの多いクラブを含み すべてのクラブに適用できる特性時間測定のテスト方法を開発中です

という書面が届いていますが・・・・そこにも“ロフトはどうやって測るか”が記されておりません そうなるとつい日本ゴルフ用品協会から発刊された「統一用語集の定義」に記されたロフトには・・・という部分が頭に思い浮かび日本の各メーカーが“しのぎを削る”高反発フェースのウッドクラブは 設計上どう考えているのかが不思議でなりません

 

普通に考えられるロフトの定義は図のように解釈されるがシャフト軸線がGL(グラウンドライン⇔地面)と垂直になっているとは限らない

 

プロトラクターを写真のようにあて 測るのが一般的に正しいと思われがちですが これでも不正解

ウッドクラブの用語解説では“オリジナルロフト”と“リアルロフト”の2種類「ロフト」は存在します 

●オリジナルロフトとはソール基準でソールに対した垂線とフェース面の間の傾斜角をさします 簡単な例では「柄の長いプロトラクター(分度器)」が一つあれば測れる角度の事です ウッドでもパターでもフェースとソールに定規の柄をあてれば測れる角度の事です その計測方法ではフェースアングルのフック度(クローズ角度)が大きく・小さくても スライス度(オープン角度)が大きく・小さくても ロフトはソール基準で測るため数値にフェースアングルとの相関に変わりはありません

●それに対しリアルロフトはシャフト軸線を基準に フェースアングルをスクウェアに保持し 球とコンタクトした時に飛び出す方向はシャフト軸線に上方から見て直角に飛び出すフェースアングル時(フック・スライスフェースではなくスクウェアフェース)には オリジナルロフトと違い数値に増減が出るものです
少しややこしいですが 例えばこの場合次の二例が考えられます

@ フック度(クローズ角度)が大きくオリジナルロフトで1あるヘッドでは リアルロフトは フェースアングルがシャフト軸線をまわしてスクウェアに保持した時 1以上と測定される事は当然あります

クローズドフェース(フックフェース)のヘッドではソール角(リーディングエッジ側にスクープのソールインバーション)が生じる シャフト軸線を廻してフェースアングルをスクウェアにすると(上方から見てシャフト軸線と直角にフェース面を合わせると)リアルロフトは増える

A スライス度(オープン角度)が大きくオリジナルロフ
   トで
15°あるヘッドでは リアルロフトは フェース
   アングルがシャフト軸線をまわしてスクウェアに保持
   した時 
15°以下と測定される事が当然あります

オープンフェース(スライスフェース)のヘッドではソール角(トレーディングエッジ側にバンスのソールインバーション)が生じる シャフト軸線を廻してフェースアングルをスクウェアにすると(上方から見てシャフト軸線と直角にフェース面を合わせると)リアルロフトは減る

上記のようにフェース角にフックやスライスと ましてフェースアングルの大小がそれぞれにあるだけ ひょっとして“オリジナルロフトが多いウッドでも またオリジナルロフトが少ないウッドでも リアルロフトは逆に少なく、また多く表示され スライスフェースのオリジナル12°表示のウッドより フックフェースでオリジナル10°表示のウッドがより球の弾道が高くなる事があります 簡単にいえばスライスフェースのオリジナル10°は球が上がらず フックフェースの10°の方は球が上がり易い事も生じます
オリジナルロフトで15度あるヘッドでも オープンフェースはリアルロフトが少なく表示され実際球は低く飛び出します 従ってこれら書面で言われる「ロフト」がどちらを指すロフトで それがロフト15
°以下と言っているのかは疑問であり 実質15°以下のロフトはリアルロフトであるべきと考えないといけないでしょうが 問題はR&Aが果たして「どのような測定器」で測る手筈なのでしょうか?【日報ノートNo57,58,59,60を参照してください あの時はR&Aに測定器は存在しておりませんでしたが・・・】
ロフトが15
°以下の「ドライビングクラブ」の定義から“ロフトの測定”器具一つ採り上げても今回の規制は随分と的を外れている事になり 高反発仕様のままでも何ら問題がないことになる訳です 国内の一般アマチュアにも反発規制のルールが適用される08年以降も使用可能ということになる測定方法はどう考えているのでしょうか?
過去にあったフェースの反発係数を測定するいい加減な器具(ボールをフェースにぶつけて跳ね返るボールのスピードを10球中の最大、最小値以外の8球で平均値を測る 機会や方法にかなり誤差がある測定法)にUSGAが猛反発して R&A派のJGAがUSGAとの確執を苦慮しない事を望むばかりです