2月26(土)

NO,180(ボールが止まるウエッジのシリーズ お詫びと訂正)

 


 
以前に日報ノートや質問BBSで答えた当方からの内容に誤りがあり 訂正してお詫びしなくてはなりません いや、お詫びは致しましても当店の作業上の都合で訂正は致しませんが 正しい内容を記して訂正とし 間違った部分を明らかに致します ややこしい書き方で申し訳ありませんのでズバリ核心の部分が次の事柄、内容ですから御確認ください
 過去に日報ノートで述べております“良く止まるウエッジを考える”シリーズ中や 私個人宛てに頂戴しているメールでの御返答の中で ともかく一概にグルーブ(溝)のエッジがダレ難く(角が丸く磨耗する事)している為「打球後、フェースグルーブにボール表皮のササクレが発生して傷が付き易いけれどボールが良く止まるウエッジ」などのクラブは一方的に “ロフトやライのアングルチューンは不可能!”と切り捨てた言い方をしている場合が多々ありました 各メーカーやモデル、売れ筋商品固有名詞を含めて問われた時 このWEB上、名指しでそれぞれは明かしませんが基本的にアングルのチューニングは可能の場合が殆どです どのような事が “アングルチューンは不可能”と云わせたかというポイントは 私どもがチューンを依頼いただいても「思うようにアングルが動かない 綺麗な思う形に仕上げられない」という観点から “ロフトやライのアングルチューンは不可能!”と対外的には御教示、返答した事でありました
このWEB上をお借りしてお詫びと訂正申し上げます すいませんでした 
しかしながら依然として当店では打った後に溝にボールのカスが目詰まりするようなウエッジのアングルチューンは
店主の思うようには出来ないと持ち込まれたプレーヤーにはお断り致しております “それでも何とかチューンを”といわれる方々が多く 非常に硬い素材故に渾身の力をこめて“出来る限りの(ヘルニアの入院歴がある為無理はこの歳でしたくないのも事実ですし・・・)アングルチューン”は致しております
 其れにつけ渾身の力を入れる度に何時も思うのは 昔ながらの軟鉄鍛造品を鍍金処理で仕上げていたウエッジがここ数年の間に「ノー鍍金フェース」で摩擦係数を上げたり 錆びを防ぐ
「表面加工、処理」で黒い色が付いたり「ハイテンション鋼材」で 溝をダレ難くしたり様々な加工や材質で“ともかくボールを止める為に手段は選ばない”までの過当競争になり過ぎていると思います。 ボールの消費がプロほどの量に達しては一般アマチュアには堪ったものではないでしょうし 一球打つ度に溝のカスをティーペッグや専用のクリーナーでほじくる作業は大変です 実際軟鉄の鍛造品を下ろしたての頃プレーヤーは球数を多く打つ事で その手に馴染んだ打感、ソールのアタリ、抜ける感覚でピンを攻めていったものでした 溝の一本目が浅くなる頃 次の控えクラブを探して漸く以前のクラブが引退というパターンでありました やがてボールとの摩擦係数を多くする為ノー鍍金ウエッジが出現し 使い出して暫くの経年後それでも溝がダレ易い為に表面に処理はするものの ボールとコンタクトする感触は違わず 溝が同じようにダレル事自体のうけも好くなく いよいよガラスの様な硬いマレージング材に溝のエッジを機械彫刻して角を直角に立てても経年化に伴ない摩滅する事無く 軟らかいボールの表皮に喰い付かせてはスピン量を上げる事にここ最近は躍起になったのです その変遷にはビジネスで大成功する“裏ワザでもあった事実”は消費者があまり知らされない一面でしょうから今回は少々触れてみたいと思います
 金型の製作から始まる鍛造ヘッドは ベタ型と呼ばれる赤く焼けた鉄の丸棒から製造がスタートします 一度打った粗型から輪郭を整え、良いヘッドの条件となる“鉄を圧造する為”鍛造を数度打ち徐々にヘッドらしく形を整え 溝や番手刻印、メーカー名やモデル名を様々な刻印機で入れて化粧し その間バレル研磨や仕上げの研磨行程までを人の手作業に係わる行程が実に多く係わっています 名匠と呼ばれる研磨師は永年の経験から研磨ペーパーひと擦りのデザインに生かしてプレーヤーの持つ感性に訴えながらヘッド形状を整え削りだしていきます その結果鍛造ヘッドは時間と手間、労力をかけた
芸術品と呼ばれる内容に相応しい出来上がりが見られます  最後は鍍金で化粧をするのですがその種類は数多く 鍍金の違いで球との接触時間や摩擦係数、それにもまして「見た目の高級感」が全く同じ鍛造品どうしでも随分違って見え たかが鍍金の数十円や数百円のコスト違いで随分ゴルファーの視覚を違った観点から魅了します 
それに比べて鋳造品は金型を一つ作れば“ツリー”と呼ばれる蝋型に流し込む“量産システム”で一度の大量生産が可能です 研磨行程の時間も少なく材質も鍍金は必要としない素材をあえて使いコスト的には格安です 素材の硬い事がこの製法を用いる場合の特徴であり その代わり軟鉄のようにアングルを調整したり 打感の軟らかさを求めて使うものではありません 量産廉価なマスプロ生産品には非常に有効でステンレス素材のヘッドにブランド名やモデル名の字が浮いたり
複雑に凹んだりした“綺麗なヘッド”と呼べるでしょう しかし仕上がる品質的には鍛造品に比べ不安定でありながら「精密鋳造」と呼ばれたりして 表向きは非常に奇麗事ではありますがメーカー側はたくさん売れれば手間、労力はかからず随分儲かるシステムのアイアンヘッド製造法でもある訳です
そんな製法で作られた非常に硬い素材故に渾身の力をこめて出来る限りロフト、ライアングルチューンをするとなると プレーヤーとしては確かにボールは止まるけれど そのスピン量の多さで“転がしたい時”にも結構止まり 常にダイレクトにピンを狙う打ち方、攻め方が必要となります ましてクラブの機能としてはアングルチューンを必要とする仕上がりが殆どですから 標準的なアングルに先ず調整は致しておりますが ソールの研磨にまで作業依頼がおよび もし研磨をする場合、余程周速の早いベーダーマシン(研磨機)でなければ綺麗に研磨ができません さすがに鍍金が無くて錆対策には好都合で良くてもとにかく硬い!溝のエッジは爪が研げそうでフェース面とは直角です 先日も来られたお客様のウエッジはシリアルナンバーも入っている「限定品」とかで気に入って買ってこられたようです しかしネックに異物が混入し表記のアングルに測定した数値はあっていません シャフトシールにもバランスや長さまで御丁寧に記載してありますし キャッチコピーは「プロが使うナンバーワン!」とかのふれこみのようですが ウエッジ2本組みで定価七万円もするクラブには 私の眼に映りませんでした