4月25(月)

NO,185 最先端のテクノロジーと構造の不備は?

 


 
今年はウッドヘッドの機能、構造的なデザインに フェースの正反対側や ソール部分の各所に 螺子止め出来る構造を持ったタングステン製の螺子蓋や その螺子自体の長さが様々で 重量の違いを利用し、それらを留める位置を違えたポジションでプレーヤーが自分の球筋を分析、考えて配置装填した結果、(三次元での)重心位置の移動をさせる事が可能なウッドヘッドが流行っているようです

家電製品と同様ですが 大手のメーカーが最初に一社、今までに無い特異な機能、構造の製品を出すと後発の数社から追随して 殆んど同じような内容の製品がすぐ出まわり 価格面や性能面評価での販売競争になります 例えば全自動洗濯機の回転ドラムが 今までは垂直な位置にセットされた構造から 斜めにドラムがセットされると 大手の数社が追随してアッという間に 市場は斜めドラムの洗濯機が標準化しました 消費者は購入価格や家族構成で機能、性能面評価を検討して全自動洗濯機が購入できます ゴルフ業界と違う産業界では 特異な構造、機能を持った物が製品化され場合、特許や販売権利の周知化された 比較的お行儀の良い慣わしがあるのではないでしょうか どこかの一社が極秘に開発していても 特異な構造の新製品はあっという間に真似をされ決して特異ではなくなっていずれ一般化します ところがゴルフ業界はと言えば“何でもありの非道な業界”かも知れません この事は確かにルール上、クラブのデザインが「通則」に始まり「シャフト」や「グリップ」、「ヘッド」、「フェースの状態、溝、マーキング」に至るまで細かく規定、規制されています ルール上それだけ制約されているのにも係わらず あるメーカーのキャッチコピーは「プレーヤーが自分でもっとも飛ぶ重心位置に変えることのできる機能がついた“最先端テクノロジー!”」と囃し立てています 確かにタングステン製の螺子蓋それぞれの重量が違う事を利用して その位置を変えれば重心の移動が考えられ これだけではルールに抵触しませんから このコマーシャルメッセージは消費者に訴える非常に有効な手段でしょう 初めて聞いた側は思わず「“最先端のテクノロジー”を駆使すればきっと真っ直ぐボールが良く飛ぶはず」で誰しもつい買いたくなる巧妙なキャッチコピーでしょう それが最近発明された“最先端テクノロジーか如何なのか?”は ゴルフ業界に30年近くお世話になっている私とすれば 昔から見受ける ごく普通の昔からあった構造で 恐らく誰かの特許有効期間が終わった為今、この時!とばかりに 昨日、今日にでも開発、発明されたかのような「新ネタ」であるかのように発信、訴求するゴルフ業界の悪いところかも知れません 発注する工場の並列化の為かも知れませんが 何処のメーカーや工場も毎年新製品はスタート時点で既に同じような作り、構造の商品が多くひしめいています いつも気懸かりで申し上げている事ですが本来ですと(ドチラのメーカーと名指しで言う事では有りませんし 単一のメーカーだけでは無い事ですが・・・)アイアンのネックに異物を入れ しかもカタログスペックに合わせる為 10グラム近い重さの真鍮製リードや 鉛棒をネックに放り込んだアイアンクラブに遭遇すると ウッドクラブの重心位置やスウィングバランスは 螺子止め鋲の自己管理で“ユーザー任せ”にしておいて「アイアンクラブの重心位置やスウィングバランスは完璧な仕上がりで なんら手を加える事無く仕上がっていますよ」と 言い切っている事が非常に滑稽な また消費者の眼をごまかす小手先の商売がまかり通っているように思え、“螺子止め式の先端技術”は目に見えても 一般消費者には見えない“製造上生じる構造の不備”は一切明かさない本末転倒した結果がアリアリで 業界側の立場の者としては非常に残念で申し訳ない思いです 以前“日報ノートのNo129で書いていた有名なT社”が何処のメーカーであろうとよい事ですが 紙上のキャッチコピーを真に受けて購入した消費者は 螺子止め鋲の最先端テクノロジーを駆使してはドライバーで幾らフェアウエイの遠くにやさしくボールを飛ばせても 二打目のアイアンが 製造、構造上不備な為に クラブの所為で散々ミスをさせられるなら「こんなに苦労をするのなら先に言ってくれ」と 最近テレビで聞いた事のある“迷言”を思わず言いたくなりそうで 訴求紙面では「ツアープロの使用率No1のメーカーがやさしく飛ばせるドライバーを真剣につくった」との様なコメントですが このメーカーが真っ先に“真剣に作らないといけないのはアイアンが先決”ではないのかと思って消費者には忠告します 殆んどの量産品や、一部粗悪な別注品がコマーシャルメッセージに載っては良い事尽くめで宣伝される、プロゴルファーや評論家の側からはメーカーとタイアップされた半ば以上が商売ベースのコメントを聞かされる、そういった風潮のゴルフ業界にも「伝統と慣習に大幅に反する形状と構造のものであってはならない」クラブの通則があります しかし過去から“ルールは後からついて来る”泥縄式の順番、内容であるのも事実です ウオーターショットをし易くする為 フェースの真ん中に穴が空いたアンティーククラブが クラブの規則が施行されて最初に使用禁止となったようです 他にもレイキ状(髪を梳く櫛状)のフェースを使ったウエッジでバンカーの砂の抵抗が少なくなるよう考えたり、フェースが左右(手前向こう)上下にわたり 凹面状のパターで 少々テークバックが歪んでもボールが真っ直ぐ転がるようにしたり 昔在ったクラブはルールに規制されるまで 独創性と理屈ぬきで巧く考えられた内容のアイデア商品が多くありました スコアは確かにクラブに影響される事が多く考えられますが 少なくとも技量の良し悪しでスコアが違う事があっても これらのクラブは技量以上に良いスコアをもたらす事が考えられたユニークなクラブでした 古い昔から今までに 多くの一般的ゴルフプレーヤーが自らの苦い経験からひらめいた またトラブルショットを上手く切り抜ける為の知恵を絞って すべてはスコアアップの為に随分多く 選りすぐりのアイデアが盛り込まれたクラブが開発、発明されています それらはパテント付きアイデアクラブとして 特許や実用新案をアメリカや日本の当該局に申請していると聞き及びますが 今となっては殆んどがルールに抵触する内容で誰も実用化し量産販売はしていません しかし新聞広告や週刊誌には「ルール適応外の良く飛ぶ」ボールや「規制値以上の高反発係数を誇るフェース」のウッド「公式戦には使えない」パターや「ルールでは使えない」手袋まで・・・ありとあらゆる商品が広告掲載されています 面白い事にプライベートなラウンドでは 結構冗談っぽく使えても“さあっコンペだ!”となると皆さん当然使わないようで 元々“ゴルフは紳士のスポーツ”として根付いているようです 今度のゴルフコンペは一度、クラブの規制や用具のルール規制を度外視して「何でもアリ!の内輪ルール」でプレイしてみては如何でしょうか? 大手メーカーが考える“すべて商売ベースの上でしか量産出来ない作り、構造上に不備、不足のあるクラブで 高が知れているルール、規制に則ったクラブばかり”で茶を濁すより 案外充実した面白味があるコンペになるかも知れません。