6月15(水)

NO,189(裸で戦えないゴルファーが直面する悪の根源 重量

 


 
当店に持ち込まれる方々のアイアンは“殆んどすべて”と言って良いほどプレーヤー自身の筋力、力量よりアンダースペックなクラブをお使いの場合が多く“何でそんなに早く老けこむの?”と何時も言いたくなりますが それは「ゴルフ業界側の勝手な商売がなされた弊害をモロに受ける立場の、裸では戦えない罪の無い一般消費者が被った事実」であると考えますので今回、詳しく例を出して解説したいと思います
 ナショナルブランドのアイアンクラブ、セットに於いて 世はまさに軽量スティールシャフトの全盛です 現在、軽量スティールとは1本が
100g弱のスティールシャフトの事で 最新では1本70g台から存在します が、昔は到底100gをスティールシャフトは切れない(軽く作れない)と言われた頃が長かったようです しかし技術の進歩とコストパフォーマンスに於いて 今ではメーカーのカタログラインもスティールシャフトは“軽量スティールオンリー”もう一つ用意される“グラファイトシャフト”が多種多様な内容とは言え所詮“スティールとカーボンのどちらか”しか選ぶ事が出来ない内容です 昔は“ダイナミックシャフト”(1120g台のスティールシャフト)がスティールシャフトの代名詞であり 他には「ステップダウン」や「プロフィット」等ありましたが 今ではその名前すら知る方も少なくなり最近ではその当時から名残ある“ダイナミックゴールドシャフト”が漸く知れている程度になりました 確かに「スティールシャフトは重たく グラファイトシャフトは軽い」と言い切る事が出来た ずっしりと重量感のあるスティールシャフト時代でした ところがこの三十数年間、時間が経てばプレーヤーの体躯、体型は向上し その上ますます性能が優れたクラブ(ヘッドの構造、材質、グリップ等・・・)を手にしながら クラブ(スティールシャフト)は軽くなる一方で 私の見解では 一般消費者が害を被り“クラブの重さと打球の結果”が反比例するばかりです 本来アイアンの重量選定する場合に言える「出来るだけ重ければ結果良し」が「出来るだけ軽ければ結果が良い筈」の 間違った勝手な公式がゴルフ屋の販売マニュアル図式に組み込まれてしまって「悪の根源その1重量」となっているように考えます だれかれ構わず軽いシャフトを絶賛して購入を勧める事が果たして間違ってはいないのでしょうか?

 ※ここで記した“出来るだけ重ければ”とは 安定したスウィングプレーンを維持しつつ タイミング良く振り切ることの出来る最大の重さを言います 決して振れないほど、振る事が困難でタイミングが合わず スウィングプレーンも正しく維持できない重さではありません すなわちシャフトの選び方さえ間違わなければ 安定したスウィングプレーンを維持しやすく タイミング良く振り切りやすいクラブは出来るだけ重い方が可能で容易い事だと言う これが結論です

来場者に過去のスポーツ歴を聞きますと先ず多くは「今はゴルフ、学生時代は・・・で、今でも偶に・・・」と、お若い頃から様々なスポーツに親しんでらっしゃいますし 今でもゴルフ以外のスポーツを愛好され体力づくりに邁進されています どうもゴルフだけでは体力づくりや健康志向にはダメなようで お付き合いの一端、単に気分転換の為には良さそうですが あまりゴルフを“純粋なスポーツ”とは考えてらっしゃらないようです 本当の競技ゴルフやプロのツアー競技では 体力勝負な部分が多々あるのでトレーニングが欠かさず採り入れられているのですが 一般アマチュアにとっては幾分体力差が勝負の分かれ際とはお感じでも なかなかゴルフの為にトレーニングを・・・とはお考え頂けないようです が、これも何れ日報ノートの題材になりそうな事柄で先の題材においておき話を戻しますが 
それにしてもアイアンは打つ距離に応じてライを見て、風を読み、傾斜を考え、番手を選び、球筋の予測を立て “いざショット!”となると 目的は「狙ったポジションへ如何に安定した飛距離、方向性、止まり具合、転がり具合を上手く均一化させたいショット」の筈です ところが手にするクラブの重さ、軽さの違いや また使用する球の大きさ(サイズ)、重さ、軽さの違いと スウィング中に動かす筋肉部位の大小変化が顕著に見られ考察すべき例を共に比喩した紹介をすると下記のようになります。 
 
体格や筋力に恵まれ 若い頃から結構ハードなスポーツ、例えば野球をされていた方が“大上段に振りかぶりピッチャーが第一球を投げる時”リリースポイント間際まで下半身から腰、上体を使い胸が反り、肩が回り、肘が先行し、手首を効かして、ボールが指先から離れる一瞬・・・ 力一杯に繰り出す一球の為には その直前まで身体全体をフルに躍動させたモーションから投げられるのです それは野球のボールを使っていればこそ出来る本来の投球動作であります これが仮に硬式球ではなく 卓球のピンポン球であったならばどうなるでしょう? 重たい硬球を投げるプロ野球選手が 先ほどの全身をダイナミックに使ったフル投球動作がピンポン球であったならば 肩が抜けてしまいます また反対にプロ野球選手が最初からピンポン球を投げるのであれば 指先で掴んで指先のチョッとした動き、手首を少し効かした動きだけでピンポン球を投げてしまうものです これは掴んだ球の重さがピッチャーの頭にインプットされた時点で 全身をダイナミックに使ったフル投球動作をすれば(しても)ピンポン球は上手く投げられない事を自然に判断し動作をコントロールしているのです 硬式球の重さはピンポン球の比ではありませんから硬式球を投げる時、指先で掴んで指先のチョッとした動き、手首を少し効かした動きだけで硬式球は投げられない事を 身体は上手く判断し投げ方をコントロールするのです
また仮に今、仕事先や出先でこの日報ノートを御覧の方が家に帰って「ただいまー」とドアのノブを、引き戸の取っ手を、いつもの力(パワー)で引っ張った時、錆びた蝶番が新品に交換されていたり 底に付いてる 錆びた戸車が新品に交換されていた・・・ドアや引き戸は ものすごい勢いで動きだします ノブを廻し引く力を普段のトレーニングには採り入れませんし 引き戸を引く力は勝手に身体がセーブして動いてくれます しかし野球のバッターが強振したり ピッチャーが速球を投げる為に彼らは普段からトレーニングを欠かさず続けるのです でも皆さんが前記の様にゴルフのプレイには先ず殆どの方が普段からトレーニングする事はありません 軽量スティールを当然のように使っていると身体は楽で振り易いのが事実です しかし持ち合わせている筋力、力量を生かさず つい楽な小手先のスウィングで球がそこそこ飛んでしまうのが軽量スティールの類であり これがもし現地のラフやディボットから打つショット、力を抜こうにも力んで放つショットの数々に撓りが多すぎたり(軟らかかったり)フェースコントロールに難があったり(軽すぎたり)する場合が多く想定されゴルフ屋の言い分である「出来るだけ軽ければ結果が良い筈」は 机上の空論に近いものがあるのです 誰でも力を抜いて素振りのように打てる事が出来ればゴルフは簡単です 思わぬ力が入ってしまうのがゴルフであるならば「老けこんだ時に初めて必要とするほど軽いシャフト」は要らないと思うのです 実際アンダースペックが過ぎる軽量スティールシャフトをお使いの方に尋ねてみると
「これしかスティールシャフトは売っていないから」が大半です 使うと確かに楽に球が飛ぶようです しかし何かの時に飛び過ぎたり 随分ショートしてみたり 曲がってグリーンから大きく外して次のショットを難しくしたり・・・これではゴルフが難しくなって、楽に打てる状態ばかりがプレイ時には存在が少ないのですから クラブとして実は不利な条件で戦う事となるのです 何故か偶然のようにボールがグリーンの奥まで飛んでも返しのアプローチが難しいばかりです 曲がってもグリーンカラーに在って欲しい 飛びすぎたりショートしてもカラーからこぼれたところに在って欲しい ショートすればぜんぜん手前だったり 飛びすぎて土手の上や下まで転がっていたり・・・飛距離のバラツキはシャフトの軽量化とともに「驚愕の飛びを誇るアイアン」や「過去に無い圧倒的な飛びを実現したアイアン」ともて囃され売られています 先ほどの野球なんぞを過去にされていたスポーツマンが軽いアイアンクラブで「怒号の飛び」を経験されてもゴルフが難しくなるばかりで奥や手前ばかりでなく右や左にも散らばります 
“出来るだけ重いシャフト”を振ると(使いだすと)一時、距離が番手以上落ち ぜんぜん飛ばないと仰います それは今までの小さい繊細な筋肉部位を使ってでもそこそこ飛んでいた“軽すぎる軽量スティールシャフト”を御使いになっていた証です 使っていた頃、分からないままに楽なスウィングに偏りすぎていた事実と 何かの拍子にグリーンの奥まで飛び過ぎた悪印象が持っている事が 筋力を上手く効率的に使えなくしている結果ではないでしょうか 身体が時間とともに上手に反応してくると 今までに無い強い球が条件の厳しい時でも上手く打てる これが本来プレーヤーが持ち合わす総合バランスを効率的に使える筈の 目指すスウィン形成には欠かせない事項です
如何に落ち着いて安定した球筋、飛距離がアイアンには求められている事を軽量スティールシャフトの全盛時の今、考え直す必要がこの業界には必要であると思います