7月19(火)

NO,191(裸で戦えないゴルファーが直面する悪の根源ポリシー

 


 
先日遠方からお客様が来場されました(名古屋です) 恐らく片道3時間近くかけて車で遥々来て頂きました 普通は新幹線や電車で 又、仕事で出張の機会のついでに来られたり 奥様やご自身が実家への里帰りを兼ねて来場いただく場合が多いのですが この方は当店にクラブを持って ただそれだけの用事として来場いただいたのです 来場の根拠はネットサーフィン中 偶然に当HPをヒットされ“店主日報”を完全読破 その後「自らがともかく店に直接行きます」とメールして来られた方でした しかも事前打ち合わせのメールで お使いのアイアンはチタンの板をフェースにはめ込んである為 アングルチューンはネック部分で捻って出来ない 出来たとしてもシャフト軸線をあえて歪めて(振って)装着するくらいで シャフトも軽いのが過ぎているようだと 御自身もお思いになる 実は具体的にクラブを拝見しなくても良かった方でありました が、それでも直にクラブを持って来場され、さまざまなお話しを聞いて頂け またご本人から聞かせて頂け本当にありがたい気持ちと、自らが喋っておきながら ゴルフ業界のいい加減さや至らなさを あらためて痛感し、おおいにジレンマを感じて心痛の境地に達しておりました時の話しです
 ご自身のご商売は眼鏡店を経営されている方です 「暇だから来ました」と、口では仰っていましたが 間違いなく忙しい筈の方です それは単に眼鏡を並べた物販だけのお店ではなく消費者の眼を考え レンズの構造から眼鏡造り、物造りに係わってベストフィットな眼鏡を目指し、売った後々のメンテナンスも引き受ける 消費者にとって“安心できるお店”を目指そうとされるポリシーある方でした 毎日使う眼鏡が合わないで困った方を放っておけない気性でしょう だからこの方が常に店にいなければすぐさま消費者が困る為 普段は日々忙しい筈の方がわざわざ遠方から来て頂いたのです
 最近 世間で言われる市中の眼鏡店は“大量販売、超激安販売、製造工場直売、均一格安価格眼鏡店”など 良く聞くキャッチコピーは何処の業種でも 何かの業界でも、そうそうゴルフ業界でも聞いた事があるような“大量販売、超激安販売、製造工場直売・・・”と気を引くキャッチコピーが並んでいます 買っただけで消費者が満足する筈が無いさまざまな商材、その内でも「眼鏡」は目の一部 身体の一部です 万一のクレームやメンテナンスが必要と感じた場合に消費者は一体如何するのでしょう 売る側は大量 格安に売る事が出来る店でも「きっちり見える しっかり見える」「掛けていて抜群のフィット感」と好感を与えられなかったり 消費者は一度でたくさんの安い眼鏡を見る事が出来ても いずれ何某かのアフターフォローは何処で如何するのでしょう 当然その店々には其れなりの“専門家”が常駐しているのでしょうが 数を多く売る事を目的、専念する店に 果たして専門知識が充分であり消費者が本当に満足できる職人気質のメカニックはいらっしゃるのでしょうか 商品の安全性とか品質管理に 昔から比べると随分気を付けるようになってきました 一つ間違えば人の命に関わる大手の医薬品や自動車メーカー、工場では尚更ですが 例え眼鏡と言えども“身体の一部”ですから長い目でみればベストフィットした内容か否かでは随分遜色がある筈です 売れば終わりで無く、売ってから買ってからが その商材の本来持ち合わせる良い意味の持ち味を引き出す時間であり 売った側のアフターフォローが充分発揮されてこそ 消費者が満足できる時間帯ではないでしょうか? 眼鏡も超高級品となれば一つ買うには 価格的に安い物が 十個や二十個分の眼鏡はある筈です 流行の¥3,000均一店は 当然どれでも¥3,000ですが 高い物を品揃えする店では その十倍、二十倍する商品もざらにあります それに比べてゴルフ業界は如何な事でしょう? ゴルフクラブが最新型の新品で いくら高いとは言え1本は十数万円くらいまでです それ以上、二十万 三十万円もしないでしょうし もともと1本が四十万、五十万するようなクラブは存在しなかった筈の材料コスト、原材料品ばかりを組み合わせた内容の商材です つい先日民事再生法を申請した本間ゴルフが その当時少々ふざけた売値をつけていたとは言えバブル景気の名残か 典型的な二重価格商法が仇になった事が原因で 商売が行き詰まった経緯も多分にあると思いますが 高級眼鏡であればべっ甲製のフレームや 特殊なレンズを組み合わせれば それは完全な“別注オーダー品”です また安い価格帯であってもフレームを選びレンズを合わせ 顔にかけ眼を通して物を見る 値段が安くても高くても これこそ本来の別注品の製作工程、流れでしょう 出来上がってきた眼鏡を初めてかけて 当然見え難ければ フィットせずかけ辛ければレンズの合わせ直しや フレームの手直し、調整となる筈です もし一般のゴルフ物販店や中古クラブ専門店でゴルフクラブを購入された後 どうも調子が悪く相談に行かれても 果たして如何いう窓口、解決策があるのでしょうか? 別注クラブが打ち辛い、振り難ければ(そもそもそれは別注とは言えない筈ですが・・?)ゴルフ屋の言い分は如何返答するのでしょうか?
当店へ来場された方々とのお話しでは 別注品で作ったり ブランド品を購入したクラブに何か不足があって相談に行かれた時 そちらの店主達は
「打てると思えばどんなクラブでも気持ちで打てますよ」
「大体そんなものでしょうけれど・・・」
「最新型ですけどね バランス鉛を貼るしか方法は・・・」
「おかしいなァ・・・」 その後は無言だったそうです
“安く仕入れて高く売る”物を売る商売と“長年の経験と勉強した技を駆使する”技術を売る商売は 一回、一度に販売する値段との対価評価の内容が全く違います 同じ物が安いか高いかは判断つきやすいでしょう が、同じ技術レベルか高い技術レベル、低い技術レベルは直ぐに判断できません 当店では 先ず絶対に店主から消費者に向かって使わない“接客時のキャッチコピー”があります
「他店より安く販売しています」
「プロ使用率No1! 皆さんにも人気があります」
「今一番売れていて 品薄です」
「最も軽いから 振りやすいです」
これらは皆さんが良く行かれる先のショップの入り口を入った直後の看板や商品のあらゆる場所にPOPで付いているのではないでしょうか? 技術を駆使しチューンナップ技法のレベルをアップする それには先程のようなコピーは必要ありません 何かの間違いで これらのキャッチコピーを目当てに また当店にクラブのメンテナンス、チューンナップを求めて 仮に100人行列を作って並んでいただけても 私は一日数人の消費者をお相手にしか商売する気持ちがありませんし 実際出来ない内容の業態と思います これは眼鏡販売という業種に係わり眼鏡をたくさん売るだけの商売をされる考え、業態の方と 眼鏡の大切さを良く知ったうえで メンテナンスの必要性、奥の深さや 眼鏡に係わる付き合いの長さを考えて商売される気持ち、業態と何ら変わらない思いから云える事です 
私がもし眼鏡を本当に必要とする時がくれば 名古屋から来場いただいた方のような眼鏡店に行くでしょう(恐らく今でも老眼鏡は必要ですが・・・)し“買ってからがお付き合い”と思える店を、店主や店員を、店のポリシーを選んでいる事に間違い無いと考えます