4月1(土)

NO,199 (ゴルフフェアが終わってみて考えた答え その二

 


 
先日お客様が持ち込まれたアイアンセット(バッグにはフルセットが入っていましたがアイアンだけしか拝見していません)を測定して 店主の私が大変驚いた実際現実にあったお話しです
「調子が悪いので一度見てください 左右に飛んで上手くいかない 前までのセットは比較的思うように真っ直ぐ飛ばせていたのに・・・そうゴルフ歴は長くないけど前のアイアンに比べたら・・・もの凄く下手になってゴルフ止めようかと思うくらい・・・上手な人に『アイアンがおかしいのは一度専門家に見てもらったら?』 と言われて此方に来ました」と 泣きそうな顔でおっしゃいます
私はバッグのフード越しにアイアンを一目見て(メーカー名、モデルを確認し、勝手に頭の中で判断しました)
「ライ角度でしょう 先ずは測っておきます ウッドは問題無いですか?」
ウッドにそう問題はないらしく 一先ず測定をする為アイアンセットだけの預かりとなりましたが それとなく話を聞いていると このセットを購入の経緯は 海外赴任中に現地(中国)の親しい方から
「僕も使っているけど 国内(中国)ですごく安く手に入るからどう?」と勧められ 取引先との付き合いもあって購入を判断(なぜかヘッドのみが買えて シャフトは付いていないようであった) 御本人はゴルフクラブにはあまり頓着されない考えの様で まったく頭の中では“物の真贋” を問うまでも無く購入の依頼をされたようです その後ヘッドのみ手に入った訳ですが、この状態のままでは使えません 待っていたかのように  
「シャフトはどれにする?」 と聞かれ 
「スティール製だったら何でも
OK!」 の結果 出来上がってきたアイアンセットだそうです。
その方がお帰りになりクラブをじっくり直に手にして“何か変?”と感じ始めてから数分後
「これコピーちゃウ? それにしても巧いこと作ってあるわ」と直感、グリップはメーカーオリジナルではなかった事につい当初から違和感を覚えていたのですが ヘッド、シャフトに及んですべて測定し 改めてコピー品と断定しました  

今回の偽物ヘッド

テーラーメイドr7XDは日本未発売のモデルです。

これは偽物(上記ヘッドに付いていたシャフト)

 

 

 

これは本物のツルーテンパー製シャフトのデカール


そのクラブをチャートした数値です #
3~9 P/W S/W L/W の10本組み

 

#3

#4

#5

#6

#7

#8

#9

PW

AW

LW

ロフト角

21.0

23.5

23.5

25.0

31.1

35.1

41.0

45.0

56.0

59.8

ピッチ

2,5

0

1.5

6.1

4.0

5.9

4.0

11.0

3.8

ライ角

60.2

62.3

62.2

63.3

64.1

65.4

64.9

65.2

64.7

63.2

ピッチ

2

-0.1

1.1

0.8

1.3

-0.5

0.3

-0.5

-1.5

振動数

316

318

317

325

324

320

328

325

322

333

ピッチ

2

-1

8

-1

-4

8

-3

-3

11

バランス

D1.2

D0.7

D1.4

C6.9

C9.3

D2.3

D0.3

C9.6

D3.6

D3.0

重量

415.8

418.6

424.8

419.4

431.8

442.6

443.0

446.4

459.0

446.4

ピッチ

2.8

6.2

-5.4

12.4

10.8

0.4

3.4

12.6

-12.6

これ以外にもソールアングル、フェースプログレッション、重心アングルを計りましたがまったくの出たら目でお話しにはなりませんでした 測定数値で順次増減し、見た目にも合っていたのはクラブの長さだけで その他の内容はとんでもないものでした
  
数日後、持ち主が来場され すべてを包み隠さず申し上げ現状のままでは上手く飛ぶ筈が無い事を御理解いただき 新たに別注クラブの製作という事で 善後策の検討に移りました が、過去には当店の顧客の方々数人 同じような内容(コピー品を海外から買って帰られた)のクラブを 当店に持ち込まれた経験がありました 聞くと出張の帰り際、空港で若い女性が近寄ってきて 
「社長さん クラブ如何ですか?安い、安いヨ あのブランド、このブランド いろいろあるから見て頂戴!」 の連呼です 要らないと突っぱねても あげくは
「社長!安い!買って!」 の連呼になり 断りきれずに見ると 確かに国内(日本)では人気のアメリカ製ブランド数社の 人気モデルが目白押しです しかも確かに安いだけに つい気がゆるんだのか買って帰られる場合が多くあるようです  ウッドクラブではスウィングバランスが
D7D8あったり シャフトは棒のように硬かったり・・・帰ってきた時通関時、女性用の一流デザイナーブランドやバッグ、宝飾品は税関職員がうるさくとがめ、チェックされるのにいったいゴルフクラブはどうなっているのでしょう? 
昔からこの業界で こういった類とはいえ “Taylor Made (テーラーメード) が “Toylor Made”(トイラーメード )、“PING GOLF” (ピンゴルフ) が “PINNG GOLF” (ピングゴルフ)、 “Power Bilt” (パワービルト) が “Power Bolt” (パワーボルト)などなど・・・最近では“S-YARD” (エスヤード) が “S-BIRD” (エスバード)みたいに滑稽で笑える模造品が多く流通した頃もありました
今、中国現地の国内経済状況や工場への発注、契約から ゴルフクラブのヘッド?元の金型?出来上がったコピー品の流れは 我々からすれば全く想像がつきません しかし 一般消費者であれば 少々目利きが利く方であってもあっさり騙される精工な出来映えですから 始末に終えません
  
前回からの引き続きで 日報ノートNo、196 で紹介した“ネックの異物量ナンバー1” のクラブメーカー、モデル名を知りたくて 様々な方から
「あれは何処のメーカー?モデルは?」 と、メールや電話、来場者から聞かれ続けた事が ここ暫くの間 “二番目に多かった質問、問い合わせの内容” でした 当然答えとしてはっきり 「何処のあれ!」 と 申し上げる事はしませんでしたし 今後もしないつもりでいますが 私自身レコードホルダーとなったクラブを直に作業し 
「国内生産品でもこれかヨ!」 と 店主自ら感じたこの業界の何時ものいい加減さが このままだと 偽者か本物かを検査してからでないと何もできない時代になって来るようで 先行きが怖い気持ちになって考え過ごした東京帰りのここ一ヶ月でした