4月12(水)

NO,200 (裸で戦えないゴルファーが・・・ 流儀、流派)

 


 
大阪府下や特に大阪市内の都市部では一般の物販ショップやクラブメンテナンス・オーダークラブ・クラブ修理専門店、ロードサイドの大型量販店や 打球練習場に付帯したインショップ形式のお店が結構多く存在し さまざまな業態でゴルフにかかわる商売に励んでらっしゃいます 何かクラブのチューンナップ作業を頼む時 そう時間を要したり 遠くまで車を走らせる事は稀で よほどの拘りを求めた作業内容でもないと そう滅多に困る事も無い筈です ところが最近、ギャレーヂのある大阪府、大阪市から少々遠方の複数の方々から(大阪府下も含んだ他府県) クラブ診断依頼を頂戴する機会が続けて多くありました プレーヤー御自身の住まいから そう近くないお店に出向かれて 既に何某かのチューンナップ作業の依頼をされた方のクラブがここ暫くの間 運送便で届けられ 当店のクラブ診断を待って頂いております また休日の朝一番から高速道を当店に向い 数時間かけて来場いただく方や 今までにパーツで購入され 結果使えなかった実状や 既存の購入商材のうち 以前のままの方が良かった反省 リシャフト後にかえって飛距離が出ないとか 曲がって飛ばない方が・・・ クラブを送って来られる持ち主や その方々が既に発注された他所様のチューンナップ作業の仕上がり、出来映えや作業の現場を つぶさに 垣間見ることが出来ました その所為でギャレーヂ店主側の “困った事” が多かった その方々にとって“仕方なく、当たり前” の事情もふまえた作業、仕事の内容・実態を記してみようと思います
 
最近どちらのお店でも、言わば一般的な物販ショップあっても シャフト交換作業は専門の業者に外注し 交換依頼を店先で受注するだけのマージン商売があり ウッドクラブ、特にドライバーに限って「流行のグラファイトシャフト」への付け替えや チューンナップショップとは言え もっぱらリシャフト専門店のような店の商売ネタ、トレンドになっているようです そうすると作業を発注してからその後は すべて店の技術力、経験量に任せてしまう事となり それが念のいった確かな装着か 単に注文したシャフトが付いているだけのプラモデルレベルの仕事か? 出された外注先の工場でどのような装着方法が成されて 作り、構造に変化するのか?確実性の高い内容か いい加減な状態か 消費者は直に見えるものではないので実は怖い作業の進捗、仕上がり状況なのです 当然ゴルファーはすべて “飛んで曲がらないクラブ” を追い続け、買い求めて「今以上に飛ぶ、曲がらないシャフトに交換依頼」されるわけですが キャッチコピーは留まるところがなく ドライバーのリシャフトについては “今週のトーナメント勝利者使用モデル” や “著名なプロが使っている新製品” “ドラコン競技優勝スペック” 等など・・・フレーズを数えれば限がありません ところが困った事にバランスをとる為ネックに異物を入れて仕上げるのは 日報ノートによく登場する アイアンヘッドの重量合わせだけに使われる真鍮バランサーや鉛だけの事では無いのです

 

アイアン用に使われていたもの

ウッド用に使われていたもの

 ウッドクラブでグラファイト製のシャフトをリシャフトする場合 飛距離を求める事に徹すると 往々に“既存の装着シャフトより軽いタイプが付け替えられる場合” が必然的に多くなります するとメーカー量産品であっても グラファイトシャフトの先端部分、シャフト先端内径の内々一杯に鉛や真鍮の棒が差し込まれていたり こましなメーカーは最も比重のあるタングステン製の“バランサー” を 放り込んでいたり・・・いい加減で出たら目なバランス調整 この場合「調整」ではなく「辻褄合わせの量」 を、簡単に入れやすい部分、しかも手間が掛からないやり方で カタログスペックに合わせているので カタログラインのシャフトを装着していても 本来予定されている ウッドヘッドの正味重量には軽く仕上がっている場合が殆んどですし まずリシャフト時は前記のカタログラインのシャフト重量よりも軽いタイプを選ぶ場合が多く、注文されたシャフトを装着した時 平均的なスウィングバランスまで出す方法を 後先を考えないでいい加減な技法を採りいれ装着しているのが現実です 私共はそれから後に手を加えて “新品で生シャフト時の中心部はスッカラカンのトンネル状態” にしなければ そのグラファイトシャフトは二度とヘッドに装着できないのです  (詳しく記すとヘッドの挿入孔は 単に先が止まった穴です その穴に糊をまぶしたシャフトを挿入するには 空気抜きの為 シャフトの中心部はシャフトを貫通している穴が必要で 穴が異物でふさがれ詰まったままであれば 空気が抜けず ピストン状となって ヘッド、シャフトは装着できないものなのです) ヘッド、グリップ以外では チューンナップの対象となるシャフトの先端に 異物がねじ込まれた非貫通シャフトを扱う場合、店主の私をことごとく悩ませているのです
 グラファイトシャフトはグラファイト繊維を何層も積層して作ります そのままでは巻いたシートが解けるので 糊をシートの間にしみ込ませ 釜で蒸して固めて作ります その構造上しみ込ませた糊が効いている間はシャフトがシャフトの機能を果たすのですが 当初にクラブを組立て時、シャフト接着のため使用する糊は その後シャフトの抜き取り時(リシャフトやリペアー時)、工業用のドライヤーの熱でバカにしてから シャフトを真っ直ぐ抜き取るのです もともとグラファイト製シャフトは非常に熱には弱い為 けっこう気を使う代物です また当店で日常使う “プロトタイプシャフト抜き器” の構造と ドライヤーのヒーター加熱によりヘッドと接着用の糊だけをバカにするのは経験から割り出せる時間を読む事から 最少量の加熱量で済ませる事ができます シャフトとヘッドを分離させる場合 ヘッドの外側から熱を加え シャフトの接着に使われ効いている糊を最少量の熱でバカにしてシャフトを抜き取るのですが シャフトの主構成材であるグラファイト繊維を固めてシャフトに形成している糊が シャフトの脱着時、熱のダメージを直に受ける事はありません しかしヘッドとシャフトを分離した後 グラファイトシャフトの先端に鉛棒や ゴム状の鉛粉を無理やり挿入されていたり 突っ込まれていると ドリルの刃を入れて“回しながら抜く作業” を強いられます 当然コツンと突いてバット側に落とそうと試し、またエアーでバット側の穴から吹き出そうと試してから・・・ダメな場合最後の手段ですが 錐(刃)でねじ込まれた異物を潰そうとするのです その時の摩擦熱は直にシャフトに伝わります しかもグラファイト繊維と直に接触している異物を刃で切り出し、さらえ出す場合は 随分摩擦熱が発生してグラファイト繊維へ直に伝わってしまいます 
 
店によっては 「一度装着されたシャフトは抜いてから再利用できない」 と断り書きする所もあるようです この意味は恐らく以前の店がどのような技法で脱着や装着していたかを危惧した結果 すべてお断りの上 何か事故があっても当店では責任が持てない事を事前に告知しているのか  抜いて再利用する事を拒み 新たな商売に結びつけて行くのか?他所様の詳しい事情や考えは分かりませんが打球時、さまざま危険な状況を危惧して作業する時に、前もって自ら回避する当然の行為と言えます
スティール製シャフトの脱着作業は少々回数を重ねても何ら問題無い事ですし 入っていた異物も放り出せばが “チューンナップ” の好対象で再利用は十分可能です ところがグラファイト製シャフトに関しては 後々シャフトを抜き取りの作業後、その後先端に入れられた異物がある為 その異物を取り去る段階で シャフト自体の性能がダウンする場合や 最悪では二度とシャフトが使えなくなる場合も考え 当店では当初新品の段階から一切ウッドクラブの組立てにも シャフト先端に異物は入れません 今回 偶然に数多く経験するウッドシャフトの先端に異物が入れられた これら非貫通シャフトは他所様の流派であり 当たり前の事なのでしょうが ここ最近そういった流儀でリシャフトをした全国チェーンのロードサイド、工房完備大型店舗製クラブでありました その流儀では 最初のリシャフトでは万一良くないからと言っても 「改めてもう一度はリシャフトできない」と断るのでしょうか? リシャフトしてみるまで(打つまで)分からないかダメな作業はしないほうがマシなようでもありますが・・・