12月24日(日)

NO,211 (サイエンスな試打の時代に気をつけて

 


 
大阪の老舗料亭の食品偽装が新聞を賑わしています 牛肉の生産地を偽ったり、消費期限を改ざんしたり・・・ すでに今年の春先から 北海道産の菓子が、伊勢の名物も、腐る前のあんこや餅で作り直して消費期限の改ざんをしたり・・・ 消費者を騙す手口はさまざまで JAS規格や、品質表示の詳しい内容は 素人や表面的に分からない、バレ無いからそれで売れたら儲かって・・・ そんな繰り返しを“食のプロ達”は平然とやっていたようでした。  
日報ノートNo209」で この春、物議をかもした“駆け込み寺の悲鳴”の「あるフィッティングルームの実例」も 当店店主は そういった嫌な思いを直に経験しているわけで 詐欺か偽装に類する?組み立て技法など 「クラブ工房自体の技術レベルや考え方」も 云えば“素人に分からないから何でもあり”の様相です
質問
BBSのNo879で頂いた内容の ゴルフクラブ(シャフト)のフィッティングについては“シャフトメーカーのような測定”が 現状ベストな環境と考えられがちです それは様々な試打シャフト(ヘッドは同一のモデルで、様々なロフトバリエーションを用意している筈)を打ち比べることができるインドアの施設で プレーヤーの打った球を 瞬時に機械計測して ビジュアルで球の飛んで行く方向や高さ、曲がり具合やスピン量を数値化して見ることが出来る 一時期流行した「スウィングビデオ診断機」から進歩した 有益なパソコンソフトの時代産物といえるものが 皆さんの頭に想像されるのでしょう
しかし最新のソフトが組み込まれた「弾道シミュレーション測定設備」があるとは言え じっくりと機械計測の怖さを考えてみると 計測された数値を鵜呑みにしてもっともらしく機械を操る相手から「これしかありません!」と言い切れる内容が、御自身で「そうなんだ!」とシャフトを決定する要因が 果たして本当に備わっているのでしょうか?
例えばドライバーシャフトのセレクトを考えてみましょう 施設に行っても最初 せめてストレッチくらいして身体をほぐし そしてアイアンで 十球や二十球 できれば数十球も打ち そして初めて 相手の用意するウッドシャフトの試打 と、本来なる筈ですが・・・
しかし試打の開始直後から「ハイ打って!」と手渡されて打つのは当然ドライバー 手袋は借り物で シューズはスパイクを履かずに革靴のまま ストレッチもせずに アイアンで身体をほぐす訳でもなく ドライバー数本を 十数球や二十球も打てば 計測機の表示した数値で単に飛距離が出て ビジュアル表現、画面ではフェアウエイセンターばかりをキープし 曲がりも少ない・・・ そして「これでしょう!」の一言が シミュレーション測定の終わりを告げ 後はシャフトの選定、決定の一言を迫るのではないでしょうか?
シャフトの選定には 本来ヘッドスピードやスピン量を機械計測し 様々なシャフトを試打して シュミレーションした結果が有効な情報源です しかし単に数球 または数十球打った結果とは言え 所詮鳥かご状のネットの中で 目標は的を相手ですから現場のゴルフ場とでは 力の入り方が違います 自身の気負いや人の目のプレッシャーはあまりありません 現場では少々打ち上げのホール、左が池で右が谷、ややアゲンストウインドゥで、強い雨のなか、前のドローとは一ホール空いて 後ろのドローが待っている・・・ こんなシュチエーションで力まない方は“よっぽどの猛者”でしょう 
シャフト選びのセオリーで 機械操作する施設側の人間は 試打当初の段階で テストするプレーヤーの持ち合わせる力量よりも若干軟らかい、軽い“アンダースペック気味のシャフト”を打たせます すると機械計測上は 先ず飛距離が間違いなく多く出ます 打球を重ねて身体が温まると やや打ち応えのあるシャフト(やや重く硬い)に代えていきますが 決してオーバースペック気味を薦めることは通常ありません それは球に伸びが無くシャフトの撓りが使えない為です また使用するボールがその場の銘柄で プレーヤー自身がいつも普段から使っている銘柄とは異なり あまりスピン量を信頼は出来ず 曲がりの計測(サイドスピン量)でも 鳥かごの中で打つと 普段のコースよりプレッシャーを感じず ご自身が“普段から心掛けるテンポ、スウィング”ができる条件は揃っていますし 実際正面ネットで球は止まり 前に飛ばず飛球方向、ブレは判別できません 反対に考えれば一向に気にならないから(インパクト直後のスピン量を機械計測するのと 空気中を実際飛ぶのとでは条件の違いで 方向性の良し悪しで結果が如実に現れます)普段に増して綺麗で理想のリズムやテンポ、スウィングが出来ているかも知れません ところが・・・
“鳥かごスウィング”で選んだシャフトを装着したクラブを持ってコースに出ると“現場スウィング”では シャフトがどうなるか・・・? こういった環境で試打され 決定したシャフトがイマイチ?で 当店へ悩み相談に来られる場合 結構多く持ち込まれている事実が多くある大半は御本人の力量、技量より「軟らか過ぎ、軽過ぎ、最新型のモデル」ばかりが装着されています 中には私の考えも少しは踏まえたフィッターが「硬過ぎ、重過ぎ」を付ける場合もあるようですが 所詮、弾道シミュレーション測定設備に素晴らしいソフトが組み込まれていても あくまで球筋、弾道を“シミュレーションするだけの設備”であって 決してシャフト選びの途上「決定する為にある機材ではない」と考えるべきです 全く感性に合わないシャフトは排除し すべての流行シャフト、人気シャフトを現場で打てない以上 数本に絞り込み 少なくともアウトドアの練習場に持ち込む“前段階程度”と、お考えになり 今使っているウッドシャフトとの違い(硬さやセンターフレックス、トルクや重さの違い)や 現状で使用しているアイアンシャフトとの相性を 数値比較し ご自分の癖、タイミングの合い易さを知り 強いては“現場スウィング”でも 充分対応できるシャフトが装着されたクラブを(実際に現場で試す為に)借り受ける下準備、数本に絞り込む為のピックアップ程度 と、お考えになるのが 本来の内容で そうすれば 星の数ほど出回っているシャフトの多くのスペック 一つづつに惑わされ迷う事無く 間違ったシャフト選びがないと私は思うのですが・・・
このような記事は
 過去2002年の11月20日((今から5年前)日報ノートNo88 サイエンスな試打の時代に気をつけて と銘打って既に記しておりますので 是非ご参照下さい