10月11日(火)

NO,234勝手な臨時休業の本当の理由)

 

 一年間に数回、ゴルフギャレーヂ店主は木曜日から日曜日にかけ 店を 「勝手ながら臨時休業」 と、させて頂いてプロゴルフトーナメントに出かけます ・・・・勘違いがあってはいけません・・・・ 店主がプロゴルフトーナメントに出掛けて “プレイするのではありません” ツアーの現場、プロゴルファーの仕事場である “ゴルフ場へ仕事をする為に行く” が 臨時休業の本当の理由です。
 
とあるプロゴルファーが とあるブランドと 使用契約するゴルフクラブのクラフトや チューン作業を個人的に請け負っているので 要望があれば依頼を請け その都度リチューン、手直し作業してツアー会場へ送ったり 居宅へ運送便を使って届けたりしますが 関西圏のコースでトーナメント開催の場合のみ会場へ出掛け 請けて持ち帰り 翌日や近日、ツアー会場に届ける為 また、直に現場で球筋や出球の方向を見て プロ自身から意見を聞き チューンナップに生の声を反映させる為 “プロサポートの仕事で出掛けているのです” 
 作業の内容は様々で 紹介するのは割愛しますが 「スコアと真剣勝負するプロゴルファー」 が使用するゴルフクラブですから 当然、提供する作業技術の妥協は許されず 付ける傷や作業上の失敗、悠長な遅い作業は出来ません しかしプロ専用の支給部材やプロト品は 品質面で “比較的安定している” ものばかりなのと しかも提供するサービスに対し部材毎の持ち合わせるクオリティー、パフォーマンスの限界が見えた場合 新たな新品部材に交換もお願いできるので
(此方の要望をメーカー相手にお願いして“話を通せる実力クラスのプロの場合”のみですが)“やり易いといえば実はやり易い”事が経験上 結構多いように感じます 
 ところが我々が日常、日々店で請け負う一般消費者の方々相手の商売は 殊更緊張する時があります 真剣勝負でありながら 持ち込まれた商品毎の組み換え、再利用する作業が殆どの所為であり それは個々の部材に換えは無く 新品に交換への対象も殆んど無く 新品購入の新たに手段が考えられず まして現物は目の前の1点ものばかり 他に代わりが有りません どのようなメーカー、ブランドクラブが入庫しても どのような注文にも(少々無理な内容は受けるので)初めての商材にも対応し 
確実、正確にきっちりと仕上げなければ まったく商売にならないのです 失敗は許されず さまざまな形状、デザインのヘッドが登場するメーカー専用の冶具も無く 万一の場合、補填する場合は すべて自前の財布で賄う それこそ 「クラフト、チューンの為行なう 作業の真剣勝負」 です 
 
しかし、良く考えてみると現在 日本でゴルフクラブ工房を開店、経営していく為に 営業資格や届出、営業の許認可や登録は一切必要なく 何時でも、誰でも、何処でも、看板一つでクラブ工房、別注クラブ製作、の営業店舗が開けられます クラブ好きが高じて “玄人のような素人” がネット上で作業技術を公開されている内容を 手先の器用な人がそっくり真似て 費用を頂いて “素人のような玄人” が商売しても一向に構わないのです 対価額も仕事の出来映え、内容、レベルは問われず 統一された基準の価格もありません それは日本のゴルフ業界で 「充分なクラフト技術のある人」 と、認定 ライセンスを発行する組織が無く (※ 唯一は(社)ゴルフ用品協会 主催のゴルフクラブ販売技術者講習会 http://www.jgga.or.jp/events/index.html を受講し 最終日の試験に受かれば 「ゴルフクラブ販売技術者」 と認定されるが 内容はクラブ工房経営の為ではない) また、個人のクラフト技術を上げようにも 勉強する場所や機会が無いのが実状ですから 個人でクラフトの先進国、アメリカに渡って 「クラフトマンを養成する専門学校」 に留学、勉強の後に各団体の技術、資格、の認定を受け 何某かのライセンスを得る方法しかありません それは協業組合や 組織ではなく あくまで個人宛のライセンスであり 業界一丸となって スキルアップ、レベルの向上を図るものではありません 
 
もう一つは日本国内で経験、知識のある親方の下で修業の後独立、自営する これは学校ビジネスではなく 昔ながらの 師弟制の中で培われる 「技術の伝承」 が必要とされたパーシモン製ウッドヘッドが主流の頃 塗り替えやシャフト交換、バランス調整、糸巻きやインサート交換と さながら木工職人のように作業し アイアンでは接着剤の性能が今ほど優秀でなかったのでネックピンを打ち込み 天然皮革を巻いて グリップを仕上げていた時にさかのぼり 駆け出し見習い、中見習い 職人修行の 丁稚期間が暫くの間当たり前で 必要だった時代が 現在へと移り変わり 「接着剤を練って固まるのを待てば クラブが出来上っている現代」 へと進んで 挙句に最先端はクラブ製造やチューンナップ シャフト、クラブフィッティングには
 最新の弾道シュミレーター、機械計測設備が重宝され 毎年最新のテクノロジーが持ち入られた新製品ヘッド、シャフト、グリップが メーカー毎に誕生してメーカー(量販店など)は 自社の勝手なスウィング理論を立ち上げては販売量を占有するが如く 各メーカー社内で誰もが “認定クラブフィッター” や “認定クラフトマン” と 各社毎認定、称される時代となっているのです
 
しかしクラフトの本場、 アメリカでは Golf Clubmakers Association(ゴルフ クラブメーカー アソシエーション)略称 GCA や、数年前まで Professional Clubmaker`s Society(プロフェッショナル クラブメーカーズ ソサエティー)略称 PCS という 非営利の協会が組織されていて クラブクラフト業者が 修理やフィッティングに係わるさまざまな技術レベルを高め プロとして生業を得る為 クラフト業界の中で公知された技術認定のライセンス、資格証を発行していて アメリカでクラフトやフィッティングを生業とする人達は そうした協会に加入、所属して 最新の技術理論、フィッティング理論を勉強し 活動しています
また、市中には 前記のプロのクラフトマンを養成する専門学校があり 日本のように ゴルフ部経験者や ゴルフの上手い人が一概に「クラブクラフトマン」や フィッティングに係わる「ゴルフクラブフィッター」も兼務し 自らの経験や知識だけで勝手に世間から “プロのクラフトマン” “プロのゴルフクラブフィッター” と 称される事はなく 何処に行ってもそのスキルレベルの違いはそう多くありません 
  数年前の一時期、
PCS日本版を 国内で組織作りしようとの機運がありました しかし本国の組織が解散、休止の状況に伴って 日本での水面下の動きも 敢え無く立ち消えてしまいした 
今、誰か この工房、クラフト、フィッティング、パーツコンポーネント業界の キッチリした組織作りをせねば 日本のクラブ工房ビジネスが 世間の経営環境下で甘く見られるのではないかと懸念します 実際、現実に多数のクラフトマンは 「知らないから、教えてもらえる場所、人が居ないから」 店毎に持ち合わせるクラフト技術の違いが大いに生じ 消費者は店毎で その作業内容、思考レベルがまちまちでも 表だって分からず クラフト技術の差や クラブその物の出来映えに判断がつきません プロゴルファーレベルが使うクラブが さまざま作業できる店があれば アマチュア相手に “
素人のような玄人が素人細工してプロクラフトマンと名乗って利益を上げる店” もあり中には 「安い、早い」 と 技術を売らずに数を売る店が多く存在すると思います 作業工賃、販売価額が店毎に違いが有り 技術レベルの差がオフィシャルで公平な差として判断できない現実がいけません それが良くないのです   
 ここらで一度 「全国共通 クラフト技術試験 参考問答集」 を作って 全国の工房経営者に 問いかける事が必要な時が近いのではないでしょうか?  
皆さん如何か お感じでしょうか・・・? 
このクラフト業界が見捨てられないよう 認知して貰えるように その時が来ているのでは?

この文面、それは 他店様に引けをとらないよう 自らの向学心と 更なる技術の習得に邁進しつつ 喜ばれる技術を提供して 真っ当な作業対価を きっちり頂戴したい気持ちがある為か、と 考えます