9月4日(火)

NO,244ダイナミックゴールド 変幻自在シャフトの怪

 


 
随分昔に聞いた話ですが マラソン競技が生放送でテレビ放映されている時 画面に映る沿道のファンや 応援者たちに混じって 大きなプラカードを持って立っている人達が多くいました それは広告、宣伝目当ての売り込み行為活動 実は只(無料)でメディアを利用する方法であったそうです 
大学駅伝であれば 大学名、オープン競技であれば ランナーが所属する企業や スポンサー名に混じって まったく関係の無い会社や 訳の分からないコマーシャルと見受けられる派手なプレートを 沿道の、しかも交差点や 曲がり角などあえて目立つ場所で 揃いのジャンパーやTシャツ姿の集団が ボードを高々と持ってカメラに向かって立っていた記憶があります
アウトドアのスポーツで、しかも広範囲で繰り広げられるマラソン競技や 競歩の沿道では特に狙い目だったでしょうし 今はJRに要請しても無理なようですが 一時、新幹線の車内呼び出し放送で 大手の企業名と 居る筈も無い社員と思しきフルネームを 車掌が繰り返し、繰り返し 連呼していた時代もありました
 如何にして“何とか、安く、広範囲”に 視覚や聴覚に 知らず知らず訴える事で 企業の名や 固有の名詞を浸透させるか・・・ 資金力だけで訴えるなら すぐさま広告代理店に依頼し キャッチコピーを作ってもらえば良いのです 売れっ子コピーライターも 一流となると 凄い稼ぎが有るようで その対価効果は凄まじい売り上げに結びつくそうですが 地道に少しずつでも それが無料で出来るなら・・・ と考えるのは誰しも当たり前で 只ほど安いものは他にありません
 テレビ放映される「プロゴルフトーナメント」中継では当然 大看板スポンサーの名前が冠となり 新聞等の紙面で訴求され 放送開始と共にテロップやアナウンスされています 他にも多くの主催、後援、協賛、協力する企業名が名を連ね 
18番のグリーンサイドには多くの立て看板が放映中にイヤでも目立ちます
当然プロ達が使用するギア、着用するウエア、所属契約するスポンサー企業の “御用聞き”達、俗に“ツアーレップ” が 大勢コース内外で待機状態で 特にキャディーバッグやウエア、帽子、雨用の傘、等であれば 大きなロゴマークを 一番テレビ映りの良い、映る機会の多い場所に付けて 真っ先に目立ちはしますが 殊、シャフトや 装着するグリップは プロからの要求さえ有れば フリーなかたちで 契約使用するクラブにも支給、装着している という現実は 一般視聴者に なかなか訴求しきれない状況であった時代が長くありました 
最近、アフターマーケット市場用のグラファイトシャフト、特にドライバーや フェアウエイウッド等は 遠くの選手をカメラが写していても ウエアやバッグの色でしか 誰か分からない望遠でも シャフトのカラーリングだけで直ぐ分かる 派手で奇抜で メーカー毎に特異な色使いになっています
二昔前はメーカーブランド オリジナルのシャフト、グリップが装着されていて当たり前でした シャフト、グリップの交換は やはり同じメーカー仕様の物しか無かった それが当たり前でしたが 今は主にシャフト製造、専業メーカー グラファイトデザイン・三菱レイヨン・フジクラ 大手3社が競い合い グラファイトシャフトの供給、プロ使用率を競っている状態です
それはグラファイトシャフトを製造する企業の販売戦略であり 多くの販売量を望めば当然、プロゴルファーの使用率、勝利したプロの、特に使用された実績のシャフトが より多量の販売を見込める一つの戦略、商売の手立てであって他ならない事実です
 ところがそれは ウッドに使用される「グラファイトシャフト」での話しであり 一方のアイアンクラブでは 彼等が好む 今、主流の「スティールシャフト」が やはり使用率、勝率争いで しのぎを削っている実状があるのです
今年の全米プロ、オープン、全英オープン、マスターズで テレビに映っているプロ達の画で アイアンのセカンドショット時、そのフィニッシュで スティールシャフトの真裏側にシールされた デカール が 一寸した瞬間の画に 多く映し出されていました
その時々の試合で判別できた “シールの色” は 金色、青色、赤色が多かったようですが これは今迄の色目とは 若干様相が違ってきています
今迄の色目では無地、青色が断然多く その内容を御分かりの方々も多いでしょうが 無地はダイナミックゴールドで 青色はプレシジョンライフル系でしたが 今回新色の赤色は
FST社、KBSツアー で 使用率は随分上がってきています ところでもう一つの金色はツルテンパー、ダイナミックゴールド“ツアーイシュー”というシャフトでした 以前、無地のシャフトに映って目立たなかったのは デカールが小さ目にしか印字されておらず 使用されている事実を メーカーが訴求していなかった 訴求する必要が無かった程のガリバー的定番・プロパー品でした
ただ、このツルテンパーダイナミックゴールド“ツアーイシュー”シャフト について 一般の消費者には 誤解が多く存在していて 誤った販売ルートが存在する事実について記してみようと思います
2007年暮れ、お付き合いのあるプロゴルファーが アメリカから持ち帰ったウエッジに 装着されていたシャフトが “ツアーイシュー” でした 見た事も無く“ツアーイシュー” との聞こえから きっとプロ用の“支給ブランド” だと解釈しましたが 実はそのシャフトが 面白いほど曲がっていたのです 当然曲がっているシャフトを使う筈も無く即刻、廃棄処分です  しかし、その直後の2008年から 日本のプロ達がダイナミックゴールドを装着使用する場合 大きな金色のデカールをセットアップ時 真裏側に装着して、フィニッシュ時では スティールシャフトの 金色模様のデカールが 大きく画面、紙面に 映し、写し出されていました
当店では 2009年当初に ツルーテンパー社から 一般消費者へ限定数セット販売(ウエッジ用は単品販売)で仕入れ、販売が開始される と、値打ちを謳った販売案内を 問屋から聞きました が、しかしセットのみのパック販売で 番手ごとの単品バラ売りはせず ノベルティーの帽子まで付いてきますから それを聞いた一部消費者の購買意欲は よりそそられるばかりで堪らなかったことと思います
その直後から
「ツアーイシューとは?」
「良いシャフトなんでしょ」
「プロ専用で 品質が違うんでしょ」と、盛んに聞かれた覚えがあります が、以前からの経緯で デカールが派手で スパインも曲がっていれば合わせようが無く しかも 
「曲がっているので使えません 如何見ても 計っても 同じダイナミックゴールドと思うし・・・割高感があって中味に乏しいし・・・」と、同じ回答に終始し 一切仕入れをしないで過ごしていました セット販売のみを崩さず 
1本曲がっていても 入れ替えたり、交換は出来ず 万一折れた場合、紛失した場合のメンテナンスに不備が生じます そんな懸念する部分を申し上げると なぜか当店の顧客は聞き分けの良い方ばかり(店主の押しが強すぎるのか?)で 持込みされた場合のみ ディーラーラインから仕入れせず プロラインから止む無き数を仕入れはしましたが やはりシャフト自体の直線性の不備に問題は多く 随分苦慮しました 
最近は 一般消費者向けに 月産限定500セット販売と銘打ち 破格の高値で売り攻勢をかけていますが 当店では今後も一切、例えサンプルで貰っても取り扱う事はありません 何故なら依然、1本曲がっていても交換できないパック販売である事、例え直線性が確かであっても派手なロゴマークが スパインアライメント後に どちらを向いて装着されても仕方なく セットアップ時、視覚的に適応しない事、また売り方、キャッチコピーの問題と 仕入れ、販売価格の異常に高値感を感じている事が その理由です
ツルテンパー社のキャッチコピーは
【セット間重量公差を±0.5gに設定してシャフト・セットとしての精度を上げ、ツアープロが使用しているものとまったく同じシルク印刷を施して、S200とX100の2フレックスにて展開致します。この機会にツアープロが使用しているスペックをご堪能ください】
とあります
ツルテンパーJAPANに聞いても「セット間の重量公差内(0.5g以内)のパック詰めシャフト」は事実であるが プロ専用の設計で企画・デザインが違うとか 曲がっていないシャフトで揃えているとかは言わず
設計の違い、特別製等々 まったくそのような事実は無く 通常のプロパーシャフトと同じ ダイナミックゴールドシャフトで パック詰めする時 金色のデカールが派手にシルクスクリーン印刷されたシャフト
だけの内容と断定できますから 異常に割り高な価格で商売している店、設計違いの特別製等々デマを飛ばして売っている店は けしからん事であります

たかが シルクスクリーン印刷と 重量公差を少なくしたパック詰めの手間、労力が掛かったとしても あまりの暴利で販売するのは 訴求効果に甘んじて随分虫が良すぎる話しではないでしょうか 
消費者の購買意欲を 逆手に取った無茶があるのではと 私は感じるのですが・・・
それではツアーイシューのパック詰めシャフトであれば すべてカタログ上 S-200の重量平均である 129.0gに対して重量公差内±0.5g以内でしかないのか 平均重量の±0.5g 例えば130.0gや 128.0gの±0.5g以内なのか? パック内平均重量が すべて129.0g平均とは何処にも謳っていません 
因みに 普通のダイナミックゴールド S-200 を 当店の備蓄在庫からランダムに #3〜ウエッジ用を 計30本 重量を計ると カタログ平均129.0gに対して 最大+1.1g 最小−1.2g でした
当店はツアーイシューを数多く何本も重量測定していませんが パックの内の平均重量は キッチリ129.0gに対しての±0.5g以内なのでしょうか?   
そのシャフト毎、重量の違いが クラブの組み付け(スウィングバランス)に どれくらい影響するか 皆さんご存じないかもしれませんが そんな事すら知らない工房こそ、シャフトのもっと大切な品質、直線性を考えず デマを飛ばし 限定販売に乗じて商売しようとする ひょっとして悪徳な工房かも知れませんから 是非、気をつけて下さい
当店では 在庫備蓄は通常時3〜4セット 直線性に優れたシャフトが備わっています その中から 重量公差の少ないシャフトを選び 派手なロゴマークが印字されていないダイナミックゴールドシャフトが“ツアーイシューバージョン” と呼んで相応しい シャフトとして 全く同じ内容ですが 1本¥3300、 での御提供価格(税別)です
しかもそのシャフトを どういった技法で組み付けるのか よくお考えになったうえで
例えツアーイシューシャフトであっても じっくりとご検討下さい