11月3日(土)

NO,246安売り工房の実態と販売価格の裏側

 


 
暮れになると多く届く 賀状欠礼の御挨拶に対し、お線香を送ろうとして先日久しぶりに北の繁華街 梅田の百貨店に行きました
JR大阪駅周辺は 大手の有名百貨店が
4軒、鎬を削っています 時間があったのでスポーツ用品売り場、それも当然「ゴルフ用品売り場」へ4軒とも足を運びました
屋号は伏せますが平日、火曜日の午後でも ある1軒は客が随分多く 店員も忙しそうです 1軒は客がまばらで 店員も手持ち無沙汰気味 しかし接客に余念が無く 1軒は比較的空いていて何故か店員も少な目? 残る1軒は人影が殆ど無く 多くの店員は全く閑そうにしていて此方が遠慮するほど売り場を遠巻きに見て周りました こんな状況で、恐らくかなり少ない売り上げで、よく一等地に店が続けられるものだと感心しますが それは百貨店の底力、一部の顧客に対してだけの信用販売と 売る値段は定価販売が適う店作りが浸透している賜物でしょうから心配要らないのでしょう クラブ販売の競合、ライバルは今や同業の百貨店同士ではなく 量販、ネットショップが相手です そこで各店の売り場構成、レイアウト展開で 見るからに力を入れているのは アパレル関係、グッズ・アクセサリー関連で ゴルフクラブ等のハード部分は全く商品を置かず テナントを入れたり オンリーブランドを少量で売り場作りをしていたり・・・  昔のゴルフ売り場と言えば ありとあらゆるクラブが豪華ふんだんに並べられ 百貨店と云うだけあって 一流と称するメーカーブランドの仲間入りを目指して 営業マンは市内の大手百貨店を駈けずり廻っていた頃、百貨店のゴルフバーゲン会場では 年間売り上げ予算の内、多額が見込まれ問屋、メーカーも随分百貨店の売り上げ数字を見込んでいた 私の問屋勤務、営業マン時代の頃が懐かしく思われました

 今、プレーヤーの二極分化傾向が顕著です 昔あった市中の“パパママショップ” は今や存在しません 前記の百貨店やスーパーマーケットのゴルフ用品売り場も 今は殆ど撤退しクラブの売り場が在りません 全国チェーン展開の量販店等の大きな売り場で お目当のクラブを直に見て触れ 試打して気に入ったら ネットショップ中、最安値でクリック、購入する 又は中古クラブ販売店で お目当の利巧なクラブを探し当て 新品価格相応以上の値ごろ感で安く買う 片や地域に根付いた量販店の店員や ショップ兼業のクラブ工房経由からも ブランド品が多く購入されています 
完成品のクラブを扱ううえで 売り手の “最上級キャチコピー” は「最安値の販売価格」です 購入者への保証や その後の優待、これも魅力かも知れませんが 買う側にとって最も大切な事は 「同じ物、クラブが 最も安く買える」 これ以上のメリットは他にありません 確かにゴルフクラブは全国津々浦々、何処で買っても 基本的には同じ物しか売っていない これは間違いなく言える事で 販売価格に多少の違いはあっても その差に大きな違いはありません しかしゴルフクラブは工業製品である以上、個体差や品質、出来映えの良し悪しも多少は存在します しかしあくまでメーカーブランド品は一括りの量産品ですから 言い出せば限りがありません
つい先日、岡山県から広島県の とある地域を 一日費やして商圏調査、リサーチドライブして周りました 全国チェーンの量販店、地域に密着した個人チェーン店、全国展開の中古クラブ店が多数入り乱れて客の奪い合いをしていましたが 屋上の看板、店員の制服、値札を付け替えれば売っているクラブ、物は同じ、売り方・並べ方、還元ポイントや値引率も 何ら変わりありませんから 何かに特化したインパクトのある売り場や 特徴ある内容ではなく 大阪辺りの店と寸分変わりがありません 日本中、何処に行っても同じ物が買える・・・ 当たり前で良い事のようですが 何故そこまで画一化した売り場や店舗展開の内容なのか・・・ 私には総てが?です

 パーツコンポーネンツビジネス、ゴルフクラブの工房ビジネスが定着してきた昨今、クラブ販売価格、組み立て、各作業の工賃、価格に大きな違いが生じています と、記しだせば この記事を読んで頂く方々には「そうなの?」とお考えの方と「確かにオカシイやないか?」とお考えの方が 交錯すると考えます
常識的な考えでは 商売ですから「商材、売値は少しでも安く、消費者に提供する」と 奇麗事ではありますが 商売の道を説くような優等生的な考えがあります ある有名な中古車専門業社は 「高く買って 安く売る」 と高々と宣伝していますが 実際これは嘘 実直に考えると すぐさま倒産に追い込まれそうなキャッチコピーで 実は大きく成長している会社でもありますが、暴利をむさぼる事はしなくても 当然利潤を追求するのが企業ですから 謳い文句は立派で 同業他社との差別化や やるべき事はキッチリやって 国内では他社の追随を許さないダントツの売り上げ、シェアを誇る企業も 事実存在するのです 
工房ビジネスでは同じパーツで 同じ仕様 同じ見た目の別注クラブや リシャフト作業の販売価格の大差が歴然としている場合が現実にあり クラブクラフト業界で 各部材の本当の定価、価格は幾らか? 本来の適正価格は幾らなのか?と、問い合わせが一時当店には殺到し かと言って 「高いんではないの?」との御意見が 当店には殆どありませんでした しかし少なからずも 安すぎる販売価格への疑問、その内容に対して 問い合わせが結構多く今でもあります 他所様の商売を邪魔するつもりは毛頭ありませんが われわれの値付け、作業価格帯の高くなったり 安く訴求する所以、理由は 手間、労力の掛け方 考え方の違いでしかないでしょうから 一概に中味の乏しい割りに高い価格だけの商売は出来る時代ではありません しかし安くしなければ売れない工房も数多くあり そこに問題が多々あるのだと判断します
ギャレーヂ一門の店の中には 「お前の店は高い」 「近所のアソコは幾らだ」 「この値段に負けとけ」 と詰め寄られる事が少なからずあるようですが ゴルフギャレーヂの一門 我々のポリシーは 「本格的なクラブ工房展開を目指し プロフェッショナルなクラフト技術を持ち合わせる工房に見合うだけの知識、経験を持って あらゆる作業に最高の完成度を目指し邁進する事」 を実践しています (格好良過ぎて照れますが)ので その道のプロであれば経験や技術は当然必要であり 手抜きやおごりは一切無く それ故に商材に求める一つ一つの品質、規格に目を配り厳選 出来映え、精度の向上を考え じっくり時間を掛け プロクラフトに必須な工具、冶具を駆使して早くするのではなくキッチリする 当然生産性は上がりませんが 同じパーツを使って組み上げても プレーヤーに対して間違いない技術、サービスを提供すれば 打ち比べれば その違いは歴然の筈で 結果が必ず伴って出ていますので 結果、その作業工賃、販売代金は自ずと高めに設定される それが一連の理由です
「打ち手の腕が悪いから何を使っても一緒や」と お考えであれば 万一、いい加減なクラブでは当然誰も上手く飛ばす事が出来ず 下手なゴルファーは球が余計に上手くコントロールできずに何時まで経っても何ら 正しい答が出ません
価格の違いが直ぐ目には見えません しかし一度でも安売りを始めると 仕入れた部材の品質は問わず、早く組み上げ 売る数の多さの必要性から精度は下がり、保証されるべき数値管理表も付いて(付けては)出来上がってきません
一門、門下生の彼等とは独立出店時や 長い付き合いの中で 「安売りはするな」 と言ってきましたが それは製作技術に対してであり 物(パーツ、商材)は一般の量販店が 靴やボールを出来るだけ安く仕入れて 出来るだけ高く(競合店には負けない安売り価格で)売るように 何処でも同じ商材を 仕入れて並べて そのままで販売する 右から左のマージン商売上の安売りは幾らか必要であっても 特化した技術サービスの安売りは必要が無く またそれは安売り出来ない筈だと かねがね言って来ました
最近、クラブを構成するシャフト、ヘッド、グリップに定価ではなく メーカー希望小売価格や オープン価格 と言われる実勢の販売価格が存在します ナショナルブランドのシャフトや 有名ヘッドのメーカーの小売り価格が ネット上で 「何パーセント割引!!」 と盛んに誇示されています 各パーツの原価率は言わない(言えない)でおきますが 商売上、定価や希望小売価格に対して 何パーセントかの割引率が多ければ多いほど 客は知っていて 結果、売れる数は多いでしょう が、いっその事 値入率(売って儲かる割合)が下がっても メーカーは出荷原価を下げずに工房に売れば 単に安売りを掲げて多量に売る工房が安売りのキャッチコピーが使えなくなって良いのではと思うのですが・・・ しかも安売りせず 本来の儲け分を頂戴して 各パーツ自体に惚れて 大事に長く売る工房が残ることはあっても 安く付け 安く売る 多くの量を売れれば善し、と考える技術を持たない下手な工房は手を出さず 良い技術を持って適正な当たり前の利益を頂戴する店が繁盛する そうなると販売絶対数量は減ってメーカー、問屋は苦しいかと思いますが 結局、自ら懸命に開発した自信ある商材は 間違いの無い装着技法をして 消費者には良い評価が得られる・・・ 消費者にとっては 買う価格は以前と さほど変わらず 定価が高いだけで 実勢売価は結局安売り対象の 「もともとは一体幾らのシャフト、ヘッドや?」的 いい加減な商材は廃るのではないかと思います 一生懸命開発した自社の商材を 売れれば良いんだと いい加減な工房に売る事を控えるべきは問屋、メーカーの考え方一つではないでしょうか?