10月25日(水)

NO,259   計測基準と現状はどうでしょうか?

 


 
当店には いろいろなカテゴリーでゴルフをプレイされる方が来場されます。
興味のある方は 店内の機材を御覧になり 「これは何を計測する機材ですか」 「これはどのように動かす機械ですか」 「精密な内容ですね」・・・ と言った声が聞かれます。
ゴルフを始めたての方でも エンジニア系の方や 女性でも理工科系の方は 私の話や機材には取っつき良く聞いて頂けます。
 ましていろいろなクラブ工房に行かれ 御自分の要望を店主、クラフトマンにおっしゃっても なかなか受け入れられず チョットした要望や 無理難題でも聞いてくれる信頼できる相手が見つからない方には居心地が良いようで 此方の説法にも力が入ります。
 よく言われる ロフト・ライ角度の調整ですが 当店では私の作った “ゴルフギャレーヂ オリジナル
「クラブアングル測定器」 を使用して 0.1度の精度で調整します。 
先ずアイアンクラブに於いては メーカー品も然ることながら 既存の “シャフト端面にゲージを沿わせる” 測定器とも、アングル調整器とも呼べない どちらにも半端な内容の機材でアングル調整されたアイアンクラブを持って 他店から当方に持ち込まれるプレーヤーが数多く御出でになります。
 メーカーの新品で持ち込まれても そう云う機材で調整していても、まったく角度ピッチはバラバラで カタログスペックどおりでもなければ 数値資料も添付されないまま プレーヤーは すべては腕の所為、と真っ直ぐ飛ばないことを自分の打ち方と判断しているのが実状です。
 機材の優秀性はアングルの数値測定器ですから ともかく測定値の番手間ピッチが合っていなければまったく意味がありません。
アイアンは番手間の長さピッチが 
0.5インチ刻みで おおよそライ角度は0.5度ピッチです。
ロフトは#5 が何度であっても 番手間
3.0度〜5.0度 超ストロングロフトであっても サンドウエッジは55.0度〜57.0度になるよう その間の本数で ロフトを割り振り多く付けていく事で 本数が収まります。
ところが 番手間のピッチがバラバラであったりすると 右に飛んだり左に飛んだり、番手を持ち替えても距離が変わらなかったり、飛んだり飛ばなかったり・・・
当然同じ機材で測定しているのですから ロフトだけは合っている筈、ライ角度だけは合っている筈も無く、アイアンセットが方向良く 打った距離も合わなければ プレーヤーはまったくスコアになりません。
 ウッドクラブなどは典型的なパターンは “小学生レベルのシール” が新品クラブや 別注クラブに貼られた たった
1枚のシールに集約されています。
長さ・バランス・重さ・振動数 四つの数値が印字されたシール一枚がクラブのスペックと思ってらっしゃるプレーヤーは最悪です。
一番肝心な リアルロフト、フェースアングルが欠落しているのです。
ウッドヘッドに表記された 
10.5 9.5 はまったく当てになりません。これは実測のロフトではなく、カタログ数値や設計上の数値に過ぎず 個体の持つ数値ではありません。
メーカー毎に備える計測機材の違いでもなければ クラフトマンの製法違いでも有りません。
刻印、表記ロフトはいったい何のために付けられているのでしょう? 気休め、呪いとしか思えません。
ヘッドは製法上、仕方なく個体の違いが生じても 
1個ずつ管理、計測しないで出荷し メーカー(クラフト側)は 出来たクラブ状態で 正確な計測をしていないだけのもっぱら手抜きです。
 当店でウッドクラブを組み付けると時や、リシャフトする時は先ず 現状の数値スペックを計測します。 
次になぜリシャフトするか?組み付けるのか要望を聞き 相応しいリアルロフトやフェースアングルを目指して装着すれば シャフト、ヘッドの特性を活かして作業が進められ 好評価頂けます。
 よくある試打クラブは良かったけれど 実際リシャフトする、新品ヘッドと組み付ける、ヘッド交換する場合も同様で 数値スペックが2本あれば2本 まったく別物に仕上がっているのです。
現実に リアルロフトが ゼロコンマ数度違っただけでスピン量が多く、少なく変化して球がフケ上がったり、オジギしたり・・・ フェースアングルが ゼロコンマ数度開いたり(オープンフェース)、被ったり(クローズドフェース)違っただけで 右に飛んだり スライスしたり、引っ掛けたり フックしたりは当たり前に違ってきます。
当然一回のリシャフトや 組み付けだけでは大正解!とはならない場合もあり、数回かけて調整の為その都度状況を聞いてやり直すことも実作業では有ります。
 それではなぜ他の店では計測しないのか・・・?     
残念ですが理由は計測できないのです。 ウッドクラブに関しては数値スペックを測定の為、ヘッドをテーブルにタンジェント(ソール)して 実直に計測する機材が過去に存在しなかった為と思われます。
シャフトを水平に設置すると違うでしょうし ダミーシャフト(まったくの円筒形)をヘッドにセットして計れば満更ではないでしょうが クラブの形状では シャフトにテーパーやステップが付いているので計測の為 シャフトを設置する場合に誤差が生じます。
 ある方は 「その程度のテーパーやステップでは知れてる程度で問題無し」 とコメントされていますがその誤差、ちょっとの違いが
200数十ヤード先では致命傷になる事を御存知無いのでしょう。
実際、御自分のウッドクラブのリアルロフトは 何度かお分かりの読者はドレくらいいらっしゃいますか?
フェースアングルが オープン、クローズドが 何度かお分かりの読者はドレくらいいらっしゃいますか?
 そもそもウッドクラブの測定に於いては ライ角度を最初に決定し、知らなければいけません。
今般ようやく 
日本ゴルフ用品協会が重い腰を持ち上げて
2015916日に改訂出版した“ゴルフクラブの「スペック測定」に関するガイドライン” がこの業界にちょっとづつ認知されだしました。
その文面には 「消費者がゴルフクラブを購入する際に、その機能や特徴がわかりやすく、各商品の比較・選択が容易に正しくできることを目的としています」 と明記されていますが果たして現状は あれから2年強経ちましたが・・・
未だ計測のルールが打ち出されて入るものの 計測器には一切目を向けられていません。
 
目次の一番最初にウッド系クラブ、アイアン系クラブのライ角測定基準と記され続いてロフト角、フェース角、フェースプログレッションとあります。
ウッドクラブの測定に於いて 正しいライ角度を見極めることは 容易なことでなく、しっかりした内容ある機材で測定し決定しなければ 続く数値スペックは出鱈目となる機械的、物理的な順番があることは少なからず解っています。
他にもオリジナルロフト、重心アングル、ソールインバーション、とヘッドのスペックだけ採っても他に多数あるのですから 少なくともライ角度・リアルロフト角度・フェースアングルまでは最低測定数値の範疇でしょう。
 こういった数値スペックの大切さを解り、安くないシャフト・ヘッドを組み付ける技術があってのクラブ工房です。 接着剤を練って闇雲に穴に突っ込み一晩置くか、速乾で仕上げて直ぐ打てるか、はたまた価格で勝負するクラブ工房が 消費者の方を向いて真面目な商売する事は 強いてはクラブクラフト業界の存亡の秋となるように思います。
「正しい計測」、日本の国基準で尺貫法がメートル法に統一された経緯どおりにはいかなくても せめてこのゴルフ業界にインチ・オンス基準があるように 計測機器の基準が欲しいところです。